第7回 なぜ賞金の配当時に消費税がかかる?
今回は、今なにかと話題の
消費税の取り扱いについて読者の方からツボをついたご質問を頂きましたので、ここでは回答させて頂きながら、消費税の実際の納付の仕組みを解説したいと思います。
今回頂いたご質問
JRAからの賞金から消費税が引かれますが、賞金を貰うのになぜ消費税を払うのでしょうか?
出資に消費税を払うのは理解できるのですが、収入に消費税を払うのがよくわかりません。
JRAの賞金は税込の金額
まず前提として、JRAの賞金の中には、実は消費税が含まれています。税込での金額表示というわけですね。その消費税は、クラブ法人が一旦預かり、国に納める形をとることになります。
賞金は、最終的には一口馬主であるクラブの会員がもらうものであるため、賞金に含まれる消費税(クラブ法人が国に支払うもの)も、最終的には会員が負担しなければなりません。
クラブ法人としては、消費税分を引いた残りを、愛馬会法人を通して会員に分配することで、その消費税分は最終的に会員に負担してもらっていることになります。
但し、実際には賞金にかかる消費税の全額を負担するわけではありません。もう少し詳しくみていきましょう。
消費税は誰が国に納めている?
ここで、簡単にお金の流れから見た、消費税の仕組みをご説明します。
消費税は、消費者(物を買ったりサービスを受けたりする人)が負担するものですが、実際に国に納付を行なうのは、その消費税を消費者から預かった事業者(お店や会社など)です。
たとえば、あなたがコンビニで1,000円の商品を購入して1,050円払った時、1,050円に含まれる消費税50円はあなたが負担していますが、その50円はコンビニという事業者が国に払うことになります。
ただし、その1,050円の商品の仕入れ金額が210円だったと仮定すると、210円に含まれている消費税10円は、コンビニが他の業者に払った消費税ということになります。
コンビニとしては、もらった(預かった)消費税50円から、支払った消費税10円を引いて、40円を国に納めるという流れになります。
このように、事業者は預かった消費税から、支払った消費税を差し引いた金額を国に納めるルールになっています。
競馬の賞金の場合
競馬の賞金にも消費税がかかりますので、上記と同じことが起こります。
たとえば賞金が1,050万円だった時のお金の流れを上の図で考えて見ましょう。
その1,050万円の賞金に含まれる消費税は、50万円になります。
ただし、賞金の20%は進上金として、調教師や騎手などに渡さなければなりません。
賞金の20%は210万円。これが先ほどの仕入価格210円と同じ意味で、210万円に含まれる消費税の10万円は、納付時には賞金に含まれる消費税である50万円から引くことができます。
結果としてクラブ法人としては、50万円-10万円の40万円を国に納めることになりますので、この40万円を会員に(出資比率に応じて)負担してもらうことになります。
配当時に消費税がひかれる理由まとめ
今回のお話をまとめると、
・JRAの賞金には消費税が含まれている
・消費税を国に支払うのはクラブなので、会員への分配時には消費税が引かれる
・実際にかかる消費税は、進上金にかかる消費税を差し引いた金額となる
という内容でした。