2026年G1サラブレッドクラブ募集馬インタビュー
G1TC/追分ファームインタビュー2026
いよいよ本年募集が開始されたG1サラブレッドクラブ(G1TC)。今年も追分ファームリリーバレーの推奨募集馬を取材させていただきましたので、その模様をお届けします。
―― 今年の3歳世代は絶好調ですね。勝ち上がり率が5月の下旬時点ですでに43%を超えており、この成績は現時点で全クラブ中2位です。
この世代から育成方針や調教方法といったソフト面を変えた、あるいは施設・設備などのハード面を刷新したなど、好成績につながる理由があったのでしょうか?
追分ファームリリーバレー 太田氏(以下、敬称略) 2歳の早い時期から移動できる馬はなるべく早く移動させ、早期デビューを意識しているのは毎年のことですし、ハード面における変化も特にはありません。
あえて挙げるとすれば、今の3歳世代から、今まで2つに分かれていた牡馬の厩舎を1人の厩舎長がまとめて見る形になりました。それが良い方向に出て、調教方針等のバラツキを少なくすることにつながった可能性もあるのかなと考えています。今年の4月ぐらいから、牝馬も2厩舎を1人の厩舎長が見る体制に変わりました。
追分ファームには今、5つの厩舎があります。第1と第2は1人の厩舎長、第3と第4はもうひとりの厩舎長がまとめて見る体制ですが、第5厩舎だけは若い20代のスタッフを厩舎長に抜擢しました。今までの厩舎長からいろいろ学びつつ、若手の厩舎長が新たに自分なりに取り組みながら挑戦している厩舎です。また、意欲のあるスタッフに副厩舎長を担ってもらい、こちらも主任や厩舎長のフォローを受けながら経験を重ねています。
今後、また各厩舎に厩舎長を1人という体制に戻す可能性はありますが、こうした取り組みで以前より人材が育っている実感があります。
また、スタッフの意識の向上もあると思います。調教が終わった後、騎乗姿勢や真っ直ぐ走れているかどうかなど、自らの騎乗を映像で振り返りたいというスタッフが増えてきました。そうした乗り手の意識が調教技術の向上にも結びついているのではないでしょうか。
―― その好調3歳世代の中でも、皐月賞3着のライヒスアドラーが筆頭です。一昨年の取材にて、目の前で見せてもらいながら推奨していただきました。僕だけではなく、出資しておけば良かったと後悔している読者はたくさんいるはずです(笑)。
東京スポーツ杯2歳ステークスのパドックでは、あの時以来、久しぶりに間近でライヒスアドラーを見ましたが、実に素晴らしい馬体に成長していました。馬格もあり、手肢がスラリと長く、馬体全体にも伸びがあり、マイラー体型のシスキンのイメージとはかなり異なりました。シスキンは前向きさと仕上がりの早さを産駒に伝えつつ、母系の特徴をきっちり引き出しますね。
太田 ライヒスアドラーは見学ツアーの時からかなりの人気で、申し込み数も多かったと聞いています。おっしゃるように胴部にも伸びがあって、馬体の完成度も高かったと思います。
馬格の面では恵まれていましたが、いざ乗り出してみたら緩さが目立ちました。さらに、ハミ受けの悪さといった課題も生じました。そうは言っても、やはり運動能力や体力的には優れていて、大型馬にもかかわらず軽快さがありましたね。2歳3月の早い段階で山元トレセンに移動しました。
その後、6月にデビューする予定でしたが、左前脚の靭帯を痛めてしまい、デビューが一度白紙になってしまったのです。まだ成長の余地もありましたので、無理をさせずに山元トレセンに戻し、秋のデビューにつなげました。
―― コントレイルなどもそうでしたが、頓挫があっても焦らずじっくり待ってからデビューできたからこそ、素質を損なわずにここまで来られたのでしょうね。
それにしても、2歳3月で山元トレセンに移動できるなんて早いですね。昨年のインタビューにて、「シスキンの産駒は体質が良く、気性面でも適度な前向きさがある馬が多い」と教えてもらいましたが、まさにライヒスアドラーはその典型です。3歳春の時点でもまだ緩さを残していますので、古馬になってからさらに強くなるのではと期待しています。
それでは、本題に入らせてください。今年も6頭の推奨馬を挙げてくださっていますので、1頭ずつ紹介していただきます。この中に第2のライヒスアドラーがいるかもしれませんね。
── まずはメリオーラの25(父スワーヴリチャード)からです。初めてG1サラブレッドクラブさんの取材をさせてもらった年に推奨してもらった1頭が、メリオーラの初仔でした。メリオーラの父Starspangledbanner(スタースパングルドバナー)が、何回読んでも読めなくて(笑)、調べてみるとオーストラリア血統の全欧チャンピオンスプリンターであったことが記憶に強く残っています。
メリオーラの産駒はその初仔から4番仔までみな中央競馬で勝ち上がっており、5番仔のメリオルヴィアも勝ち上がりまであと一歩という、堅実で優秀な繁殖牝馬ですね。これまでのところ、シュヴァルグラン産駒のメリオーレムが最多の4勝を挙げています。メリオーラの仔は総じて馬格があり、スタースパングルドバナー譲りのスピードも受け継いでいますね。
太田 母メリオーラは筋肉量が十分にあり、やや重心が低く、全体的にしっかりとした馬体をしていますが、メリオーラの25は馬体全体のバランスが良く、胴伸びがあって、シルエットが美しいですね。骨量は豊富ですが、硬い感じはなく、ハーツクライ系の柔らかみがある馬です。動いている姿を見ると、力強くしなやかで、跳びも大きくて推進力を感じます。
馬体重は428㎏で5月以降の増体がとくに大きく、順調に成長しています。
―― 今年の3歳世代は絶好調ですね。勝ち上がり率が5月の下旬時点ですでに43%を超えており、この成績は現時点で全クラブ中2位です。
この世代から育成方針や調教方法といったソフト面を変えた、あるいは施設・設備などのハード面を刷新したなど、好成績につながる理由があったのでしょうか?
追分ファームリリーバレー 太田氏(以下、敬称略) 2歳の早い時期から移動できる馬はなるべく早く移動させ、早期デビューを意識しているのは毎年のことですし、ハード面における変化も特にはありません。
あえて挙げるとすれば、今の3歳世代から、今まで2つに分かれていた牡馬の厩舎を1人の厩舎長がまとめて見る形になりました。それが良い方向に出て、調教方針等のバラツキを少なくすることにつながった可能性もあるのかなと考えています。今年の4月ぐらいから、牝馬も2厩舎を1人の厩舎長が見る体制に変わりました。
追分ファームには今、5つの厩舎があります。第1と第2は1人の厩舎長、第3と第4はもうひとりの厩舎長がまとめて見る体制ですが、第5厩舎だけは若い20代のスタッフを厩舎長に抜擢しました。今までの厩舎長からいろいろ学びつつ、若手の厩舎長が新たに自分なりに取り組みながら挑戦している厩舎です。また、意欲のあるスタッフに副厩舎長を担ってもらい、こちらも主任や厩舎長のフォローを受けながら経験を重ねています。
今後、また各厩舎に厩舎長を1人という体制に戻す可能性はありますが、こうした取り組みで以前より人材が育っている実感があります。
また、スタッフの意識の向上もあると思います。調教が終わった後、騎乗姿勢や真っ直ぐ走れているかどうかなど、自らの騎乗を映像で振り返りたいというスタッフが増えてきました。そうした乗り手の意識が調教技術の向上にも結びついているのではないでしょうか。
―― その好調3歳世代の中でも、皐月賞3着のライヒスアドラーが筆頭です。一昨年の取材にて、目の前で見せてもらいながら推奨していただきました。僕だけではなく、出資しておけば良かったと後悔している読者はたくさんいるはずです(笑)。
東京スポーツ杯2歳ステークスのパドックでは、あの時以来、久しぶりに間近でライヒスアドラーを見ましたが、実に素晴らしい馬体に成長していました。馬格もあり、手肢がスラリと長く、馬体全体にも伸びがあり、マイラー体型のシスキンのイメージとはかなり異なりました。シスキンは前向きさと仕上がりの早さを産駒に伝えつつ、母系の特徴をきっちり引き出しますね。
太田 ライヒスアドラーは見学ツアーの時からかなりの人気で、申し込み数も多かったと聞いています。おっしゃるように胴部にも伸びがあって、馬体の完成度も高かったと思います。
馬格の面では恵まれていましたが、いざ乗り出してみたら緩さが目立ちました。さらに、ハミ受けの悪さといった課題も生じました。そうは言っても、やはり運動能力や体力的には優れていて、大型馬にもかかわらず軽快さがありましたね。2歳3月の早い段階で山元トレセンに移動しました。
その後、6月にデビューする予定でしたが、左前脚の靭帯を痛めてしまい、デビューが一度白紙になってしまったのです。まだ成長の余地もありましたので、無理をさせずに山元トレセンに戻し、秋のデビューにつなげました。
―― コントレイルなどもそうでしたが、頓挫があっても焦らずじっくり待ってからデビューできたからこそ、素質を損なわずにここまで来られたのでしょうね。
それにしても、2歳3月で山元トレセンに移動できるなんて早いですね。昨年のインタビューにて、「シスキンの産駒は体質が良く、気性面でも適度な前向きさがある馬が多い」と教えてもらいましたが、まさにライヒスアドラーはその典型です。3歳春の時点でもまだ緩さを残していますので、古馬になってからさらに強くなるのではと期待しています。
それでは、本題に入らせてください。今年も6頭の推奨馬を挙げてくださっていますので、1頭ずつ紹介していただきます。この中に第2のライヒスアドラーがいるかもしれませんね。
※以下、当日のインタビュー順に紹介しており、各馬の並びは推奨の順位を示すものではございません。
※文中の馬体重、状態、文章下部の写真などはインタビュー時点(2026年5月下旬頃)の情報となります。
【1】メリオーラの25(牡・募集番号 G9)
メリオーラの産駒はその初仔から4番仔までみな中央競馬で勝ち上がっており、5番仔のメリオルヴィアも勝ち上がりまであと一歩という、堅実で優秀な繁殖牝馬ですね。これまでのところ、シュヴァルグラン産駒のメリオーレムが最多の4勝を挙げています。メリオーラの仔は総じて馬格があり、スタースパングルドバナー譲りのスピードも受け継いでいますね。
太田 母メリオーラは筋肉量が十分にあり、やや重心が低く、全体的にしっかりとした馬体をしていますが、メリオーラの25は馬体全体のバランスが良く、胴伸びがあって、シルエットが美しいですね。骨量は豊富ですが、硬い感じはなく、ハーツクライ系の柔らかみがある馬です。動いている姿を見ると、力強くしなやかで、跳びも大きくて推進力を感じます。
馬体重は428㎏で5月以降の増体がとくに大きく、順調に成長しています。
──
スピードのある母系に中長距離型のスワーヴリチャードという、芝のクラシックディスタンスを狙いに来ましたという王道の配合ですね。 …












