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第8回 確定申告をする必要がある人は?

さて、今回からはいよいよ本連載の本題である「確定申告」のお話に入りますが、まずは確定申告をする必要があるパターンを解説してみたいと思います。割と重要な回になるかもしれませんのでぜひ最後までお目通しを。

そもそも確定申告とはなに?

働いたりして収入を得ている人は、一年間の収入と経費を計算して、国に申告する義務があります。

ただし、会社員については、その計算を会社が代行して、国に報告してくれます。

それ以外の人、つまり自営業者の方などは、自分で収入と経費を計算して、出てきた「所得」にかかる所得税を計算し、国に報告しなければなりません。

その報告行為を、「確定申告」といいます。

会社員の方は原則として確定申告をする必要がありませんが、副収入があったときや、医療費が10万円を超えた場合などには、確定申告をしなければならなかったり、確定申告をすれば、税金が取り戻せる場合もあります。

一口馬主が確定申告をする必要がある時は?

一口馬主を楽しんでいる方は、賞金に応じた分配金をもらい、預託料、会費などの経費を払っています。

その分配金から経費を引いた所得金額を、税務上の用語として雑所得といいます。株式の配当金など、一口馬主以外の他の副収入も雑所得に当てはまりますが、この雑所得、一時所得など「給与所得以外の所得」の合計が20万円より大きければ、確定申告をしなければならない義務が発生します。

また逆に、分配金から経費を引いた金額が少ないのに、源泉税をたくさん取られている場合は、源泉税が戻ってくる可能性があります。その時は、確定申告をする義務はありませんが、確定申告をして税金を取り返す(=還付を受ける)権利はあります。

なお、ここでいう源泉税とは、「第6回 源泉徴収された所得税の行方は?」でご説明した3つの源泉税のうち、クラブ側では還付処理が出来ない「3.愛馬会源泉税」のことを指します。

確定申告の必要性早見表

と、文章で書くと少し分かりづらいので以下で表にまとめました。

ほとんどのクラブでは、ありがたいことに上のようなことが計算済みの確定申告用の資料が翌年1月~2月に送られてくると思いますが、その中の「分配金(収入)」、「(雑)所得金額」、「源泉所得税」の3点のみに着目して、この表で確認頂くと分かりやすいと思います。それぞれの用語はクラブ毎に微妙に異なるかもしれませんが同じ意味の項目があるはずです。
表)一口馬主確定申告の必要性早見表
昨年度年間収支内容申告義務申告結果
A雑所得等合計(一口馬主以外も含む)が20万円を超えた場合義務あり追納、還付
B雑所得等合計(一口馬主以外も含む)が0円~20万円の場合義務なし還付※
C分配金、源泉所得税はあるが、雑所得がマイナスの場合義務なし還付
D分配金、源泉所得税がなかった場合義務なし無意味

※Bは計算上追納になる可能性もありますが、その場合は確定申告をする義務はないので、事実上還付のみとしました
※複数クラブに加入している場合は、全クラブの収支を合算した金額が基準となります


配当をもらったはずなのに分配金がない?

上の表でA~Cにあてはまる人は、確定申告をする義務があるか、還付を受けることが出来るので申告を行なうメリットがある人になります。

さて、クラブから送られてきた申告資料と上の表を見て、ここでもしかすると次のような疑問が生じるかもしれません。


去年は愛馬が何回も出走して配当金ももらってるのに、分配金(収入)の欄がゼロ円なんだけど…。本当に申告しても意味無いの?


はい、上の表でパターンDにあたる、クラブからの資料で分配金(収入)がゼロで、源泉所得税もゼロの場合は、申告する義務がありませんし、また残念ながら何も返ってはきませんので申告の意味はありません。

第3回 出資の払い戻し(出資返戻金)とは?」でご説明したとおり、配当される分配金は税区分上、「利益分配金」と「出資返戻金」に区分されます。このうち、経費とみなされる出資返戻金分は非課税ですので、源泉徴収がされていません。配当があったのに分配金がゼロ円ということは、要は「受け取ったお金は出資返戻金の範囲内」だった、ということですね。意外と多くの方がこのDのパターンに当てはまるかもしれません。


さて、申告を行なう際の所得税の計算に関しては、また少しややこしいので、次回以降で解説していきたいと思います。
著/監修
山本憲明プロフィール

1970年兵庫県生まれ。サラリーマン生活10年ののち独立して税理士事務所を経営。著書に「税理士最短合格の時間術・勉強術―働きながら3年で! 」など。

現在は2つのクラブの一口馬主及び地方競馬馬主も。自身もダービーオーナーを目指しつつ、多くの馬主が馬の所有を経営として成り立たせるためのサポートを税務面などから行い、馬主の数を増やすとともに、セリ市などの市場の活性化を行い、競馬産業に貢献したいと考える。
編集
一口馬主DB編集部