2024-10-06現在データ
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一口データ研究室
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レポートNo.037 |

JRA賞金・手当は今後も増える?

2019年度のJRA競走体系においては、比較的大きな改訂が、数多く実施された年になりました。

降級制度の廃止、リステッド格付けの新設、スーパー未勝利戦の廃止、3走連続不振未勝利馬の出走停止、女性騎手の恒久減量化など、なかなかインパクトのある項目が並びます。

一口馬主の視点で見た場合、はたして「得」なのか「損」なのか、にわかには判断がつきずらい変更が多いのも特徴的です。

リステッド競走の賞金

その中でも、分かりやすく「得」と言えそうなのは、一部オープン特別競走へのリステッド格付けの設定といえるでしょう。格が付いたとはいえ、出走条件やオープンクラスのレース体系自体は、少なくとも本年度ではほとんど変わっていないのですが、リステッド競走の賞金は、通常のオープン特別に比べると、少し高く設定されています。

例えば、先週行われた白富士ステークス。昨年までの優勝賞金は2400万円でしたが、リステッド競走に認定された今年は2600万円に増額されています。一方で、厳寒期の芝中距離戦ということもあり、もともと出走頭数はやや少なめで、フルゲートになることも多くはないレースですが、今年も出走頭数は9頭と、同レース過去最低タイに留まりました。

このようなリステッド競走に認定されたレースは、オープン特別競走の過半数を占めるほど数は多いため、オープン特別競走全体の賞金が、実質的に底上げされた改訂と言ってよいでしょう。

降級制度の廃止に伴い、今後オープンクラス内の構造も大きく変化し、将来的にはリステッド競走の出走頭数増加、メンバーレベル上昇の可能性はありますが、少なくとも今しばらくは、オープン馬をもつ出資者にとっては、こうした賞金増額の恩恵をそのまま享受できそうです。

最近の賞金変動傾向

さて、今回のリステッド競走のような特殊なケースに限らず、最近の本賞金は上昇傾向にあります。

以下は例として、4歳以上1000万クラス一般競走の、最近の1着本賞金推移をグラフにしたものです。


さすがに毎年増額というわけではないものの、基本的には上昇基調であることが、明確に分かるグラフとなりました。2012年の970万円に対して、2019年は1100万円と、8年間でおよそ13%の増加となっています。

4歳以上1000万クラスを例として取り上げたのは、比較的変動することが多い条件ということもありますが、基本的には他のクラスにおいても、上昇傾向が見られます。

奨励賞や手当も上昇傾向

また、実は本賞金以上に変化が大きいのは、各種奨励賞や手当の方です。以下は例として、4歳以上1000万下クラス 2200mのレースに出走した際の、1着馬に支給される距離別出走奨励賞の金額をグラフにしたものです。


こちらは2016年から上昇した形となり、結果的に2012年の100万円に対して、2019年は360万円と、3倍以上にアップしています。先ほど見た賞金や、その他奨励賞・手当の増額と合わせると、同条件で優勝した場合、合計すると、2012年からは500万円近くの増額となっています。

また、各種奨励賞においては、金額の増額以外でも、支給対象の範囲拡大傾向も見られます。


このように、賞金手当が上昇傾向にあることは、一口馬主にとっても非常に喜ばしいことですが、はたしてこの上昇は、今後も続くのでしょうか? 2012年頃から右肩上がりであった日経平均株価も、2018年は一息ついたように、お金が絡む事象には、どこかで天井があるというのが世の常です。

JRA賞金総額の推移

今後も賞金手当は上がり続けるのか?という問いには、そもそも「JRAの賞金手当は最近なぜ増えているのか?」を読み解いていくことで、実はある程度予測が可能です。 …
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最近の賞金変動傾向 / 賞金と深い関係にある数字 / 賞金額が決まるメカニズム / 賞金額の変動を予想するには / 今後の賞金はどうなる?

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著者
一口馬主DB 編集部