レポートNo.099 |
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「左後一白の馬は走る」は本当?
名馬に多いとされる脚の白斑タイプを検証
今回は読者の方からのリクエストにお応えして、「左後一白(さこういっぱく)」について取り上げます。
左後一白はこれまで調査依頼を多く頂いていたテーマの1つです。まずはリクエストの中から代表して一通紹介させていただきます。
左後一白の名馬としては、古くはシンボリルドルフ、最近ではオルフェーヴルといったところがよく挙げられます。いずれも圧倒的な強さを見せた三冠馬であり、白のソックスが鮮明に入った、きれいな左後一白であった点でも共通しています。
試みに2000年以降の年度代表馬をざっと眺めてみると、オルフェーヴルの他にエフフォーリア、リスグラシュー、ブエナビスタ、ゼンノロブロイが左後一白でした。17頭中5頭と約3割を占めており、そう言われてみると確かに名馬には左後一白が多いように映ります。
ただ、そもそも「脚の特定の白斑が能力に関係する」と言われても、よく言えば「縁起」、悪く言えば「オカルト」的なものを感じてしまうのも事実です。
本コラムとしても取り上げるべきか迷うテーマでしたが、リクエストの数に背中を押されて今回調査を進めたところ、興味深い結論にたどり着きましたのでご報告したいと思います。
左後一白はこれまで調査依頼を多く頂いていたテーマの1つです。まずはリクエストの中から代表して一通紹介させていただきます。
「左後一白は名馬の証」といった言葉があります。たしかに名馬は出ているようですが、実際に優位性があるのかデータで検証してもらえないでしょうか。
左後一白の名馬としては、古くはシンボリルドルフ、最近ではオルフェーヴルといったところがよく挙げられます。いずれも圧倒的な強さを見せた三冠馬であり、白のソックスが鮮明に入った、きれいな左後一白であった点でも共通しています。
試みに2000年以降の年度代表馬をざっと眺めてみると、オルフェーヴルの他にエフフォーリア、リスグラシュー、ブエナビスタ、ゼンノロブロイが左後一白でした。17頭中5頭と約3割を占めており、そう言われてみると確かに名馬には左後一白が多いように映ります。
ただ、そもそも「脚の特定の白斑が能力に関係する」と言われても、よく言えば「縁起」、悪く言えば「オカルト」的なものを感じてしまうのも事実です。
本コラムとしても取り上げるべきか迷うテーマでしたが、リクエストの数に背中を押されて今回調査を進めたところ、興味深い結論にたどり着きましたのでご報告したいと思います。
そもそも左後一白とは?
ここまで読まれて、そもそも「左後一白」という言葉をご存じない方にはピンとこないお話かと思われます。最初に、本レポートに登場する用語について整理しておきましょう。
まず、「左後一白」という言葉は、競走馬の四肢の白斑の位置および数を示しています。白斑とは毛が白くなっている部分を指し、サラブレッドの場合は白毛馬を除き、基本的に顔もしくは四肢の下半分にのみ存在します。あくまで毛の色ですので、蹄のみ白い場合は該当しません。
前半の「左後」は左後肢の略であり、すなわち左側の後ろ脚を指します。そして後半の「一白」で、白斑がある脚は1本のみであることを示します。つまり、「左後一白」とは四肢のうち、左後肢のみに白斑がある馬という意味になります。
右後肢のみ白い場合は「右後一白」、左後肢および右後肢ともに白い場合は「後二白」、左前肢以外白い場合は「右前後三白」、4本とも白い場合は「四白」といった呼び方になります。白斑のタイプとしては四肢に白斑がない場合も含めると、2x2x2x2で計16通りあります。
こうした呼称は血統登録の際に血統登録証に記載されますが、他の場面で用いられることはほとんどありません。いわば生産者サイドの用語であり、一般の競馬ファンや一口馬主がふだん目にする機会はないと言えます。
なお、血統登録の際には白斑の形状などでさらに細かく分類され、標準的な「白」の他にも「長白」や「半白」といった表現も用いられますが、本レポートではテーマ上、脚元の毛の部分に白が認められればすべて「白」として扱います。また、四肢に白がない馬や白毛馬は「無地」として表記します。
まず、「左後一白」という言葉は、競走馬の四肢の白斑の位置および数を示しています。白斑とは毛が白くなっている部分を指し、サラブレッドの場合は白毛馬を除き、基本的に顔もしくは四肢の下半分にのみ存在します。あくまで毛の色ですので、蹄のみ白い場合は該当しません。
前半の「左後」は左後肢の略であり、すなわち左側の後ろ脚を指します。そして後半の「一白」で、白斑がある脚は1本のみであることを示します。つまり、「左後一白」とは四肢のうち、左後肢のみに白斑がある馬という意味になります。
右後肢のみ白い場合は「右後一白」、左後肢および右後肢ともに白い場合は「後二白」、左前肢以外白い場合は「右前後三白」、4本とも白い場合は「四白」といった呼び方になります。白斑のタイプとしては四肢に白斑がない場合も含めると、2x2x2x2で計16通りあります。
白斑タイプ 呼称例
こうした呼称は血統登録の際に血統登録証に記載されますが、他の場面で用いられることはほとんどありません。いわば生産者サイドの用語であり、一般の競馬ファンや一口馬主がふだん目にする機会はないと言えます。
なお、血統登録の際には白斑の形状などでさらに細かく分類され、標準的な「白」の他にも「長白」や「半白」といった表現も用いられますが、本レポートではテーマ上、脚元の毛の部分に白が認められればすべて「白」として扱います。また、四肢に白がない馬や白毛馬は「無地」として表記します。
「JRA賞受賞馬」に多い白斑パターン
それでは、調査を進めていきましょう。 …
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全文4155文字 (現在1361文字まで表示)
そもそも左後一白とは? / 「JRA賞受賞馬」に多い白斑パターン / 白斑タイプの分布調査 / 左後一白の競走成績 / 左後一白名馬説が定着した理由
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