レポートNo.100 |
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母と同じ厩舎に預託される馬は活躍する?
厩舎の「ゆかり効果」が高くなる条件を検証
今回は読者の方からのリクエストにお応えして、母と同じ厩舎に預託される馬が活躍する可能性について取り上げます。
まずはリクエストの内容をご紹介させていただきます。
牝馬が競走生活を終えて無事繁殖に上がった後、その産駒が同じ厩舎に配されることがままあります。「厩舎ゆかりの血統」といった言われ方をしますが、有名なところでは、角居厩舎におけるシーザリオとその産駒たちの華々しい活躍が挙げられます。
G1馬3頭を輩出した繁殖成績は言うまでもなく、種牡馬として確固たる地位を築きつつあるエピファネイアに続き、リオンディーズも先日の天皇賞・春でG1馬の父となり、世代を経てますます輝きを増す一族です。
このシーザリオ産駒の場合、JRAに競走馬登録のあった産駒12頭中、実に8頭が角居厩舎に預託されました。角居師の早期勇退表明が無ければ、もう少し増えていたのではないでしょうか。
もっとも、シーザリオのように、ほとんどの産駒が母と同じ厩舎に預託されるケースは稀です。実際に、クラブ所属馬のうち、母と同じ厩舎に所属した馬の割合を調べてみると約9%であり、およそ10頭に1頭程度に留まりました。
母と同じ厩舎に所属するというのは意外とレアなケースと考えてよさそうです。
預け手側は馬の特性や全体配分など、さまざまな思惑で預託厩舎を決定しており、また調教師としても手がけた牝馬の子どもをすべて預かっていたら血統に偏りが生じてしまい、かえって厩舎運営にマイナスとなる場合もあるでしょう。
そして、ならばこそ、あえて母と同じ厩舎に配された馬にはなにか「特別な意図」があるのではと考えたくなるのも自然です。
出資検討者としてはたとえば、「クラブや生産牧場の期待の表れ」や「母を手がけていた厩舎ならその産駒の良さも引き出してくれそう」といったプラスの印象を抱くのではないでしょうか。
本レポートでは、こうした厩舎ゆかりの馬の活躍可能性について検証し、またその効果が発揮される条件も探っていきたいと思います。
まずはリクエストの内容をご紹介させていただきます。
母と同じ厩舎に預託される馬もいれば預託されない馬もいます。母と同じ厩舎になればプラス材料となるのか、それともあまり関係がないのか教えてください。
牝馬が競走生活を終えて無事繁殖に上がった後、その産駒が同じ厩舎に配されることがままあります。「厩舎ゆかりの血統」といった言われ方をしますが、有名なところでは、角居厩舎におけるシーザリオとその産駒たちの華々しい活躍が挙げられます。
図)シーザリオ産駒の入厩先
※転厩があった場合、初期所属厩舎を記載
G1馬3頭を輩出した繁殖成績は言うまでもなく、種牡馬として確固たる地位を築きつつあるエピファネイアに続き、リオンディーズも先日の天皇賞・春でG1馬の父となり、世代を経てますます輝きを増す一族です。
このシーザリオ産駒の場合、JRAに競走馬登録のあった産駒12頭中、実に8頭が角居厩舎に預託されました。角居師の早期勇退表明が無ければ、もう少し増えていたのではないでしょうか。
もっとも、シーザリオのように、ほとんどの産駒が母と同じ厩舎に預託されるケースは稀です。実際に、クラブ所属馬のうち、母と同じ厩舎に所属した馬の割合を調べてみると約9%であり、およそ10頭に1頭程度に留まりました。
2000年~2020年産クラブ馬
母と同じ厩舎に所属するというのは意外とレアなケースと考えてよさそうです。
預け手側は馬の特性や全体配分など、さまざまな思惑で預託厩舎を決定しており、また調教師としても手がけた牝馬の子どもをすべて預かっていたら血統に偏りが生じてしまい、かえって厩舎運営にマイナスとなる場合もあるでしょう。
そして、ならばこそ、あえて母と同じ厩舎に配された馬にはなにか「特別な意図」があるのではと考えたくなるのも自然です。
出資検討者としてはたとえば、「クラブや生産牧場の期待の表れ」や「母を手がけていた厩舎ならその産駒の良さも引き出してくれそう」といったプラスの印象を抱くのではないでしょうか。
本レポートでは、こうした厩舎ゆかりの馬の活躍可能性について検証し、またその効果が発揮される条件も探っていきたいと思います。
母と同じ厩舎に所属した馬の競走成績
それでは、データを分析していきます。 …
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母と同じ厩舎に所属した馬の競走成績 / 「ゆかり効果」が発揮される条件、発揮されない条件 / 性別差が生じる理由
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