レポートNo.073 |
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2022年度のJRA賞金・ルール変更を読み解く
G1賞金大変動・出走奨励金対象拡大など
今回は新年恒例企画として、JRAにおける2022年度の各種賞金およびルールの変更を検証し、その中で一口馬主にも影響が大きいと思われるトピックについて考察していきます。
前半では全般的な賞金手当変動を定点観測し、後半では本年の特に大きな変更点と言える「G1競走の賞金増額・格差拡大」「出走奨励金9着まで拡大」および「3勝クラスの出走ルール変更」などについて、データを交えて取り上げていきます。
いずれも、一般競馬ファンにはあまり興味のない内容に映るかもしれませんが、一口馬主的にはインパクトが大きい変更であるため、しっかりと確認しておきましょう。
前半では全般的な賞金手当変動を定点観測し、後半では本年の特に大きな変更点と言える「G1競走の賞金増額・格差拡大」「出走奨励金9着まで拡大」および「3勝クラスの出走ルール変更」などについて、データを交えて取り上げていきます。
いずれも、一般競馬ファンにはあまり興味のない内容に映るかもしれませんが、一口馬主的にはインパクトが大きい変更であるため、しっかりと確認しておきましょう。
2022年度の賞金変更ポイント
まずは、2022年度の賞金手当全体の動向について見ていきましょう。
以前、「JRA賞金・手当は今後も増える?」で解説した通り、JRAの賞金予算は基本的に「当年度の馬券売上の予算」に基づいて決定されます。馬券売上の予算とは、一般的な企業の業績予想と同様に、「今年はどのくらいの売上が見込めるか」をJRAが予測した金額です。
あくまで予測であるため、基本的には前年度までの馬券売上の動向に基づいて決定されます。そこでまずは、昨年度までの馬券売上の年次推移を確認しておきましょう。
JRAの馬券売上は2021年度も引き続き好調に推移し、前年比3.6%増、売得金ベースで3兆911億円となりました。成長率でも前年を上回り、これで10年連続のプラス成長、そして3兆円の大台奪還は、2003年以来18年ぶりとなります。
ちなみにこの金額は、1990年の3兆984億円とほぼ同水準です。1990年=平成2年と言えば、17万人の観客を前にオグリキャップの劇的ラストランで幕を閉じた、第2次競馬ブームの象徴とも言える年です。当時はバブル経済も背景に急激に売上を伸ばしていた時期で、その後ピークの1997年には4兆円に達しました。今回はバブル期とは異なり、静かで着実な成長が長期間続いている形となります。この成長が果たしてどこまで続くのか、再度4兆円を目指す展開になるのか、注目したいところです。
以前、「JRA賞金・手当は今後も増える?」で解説した通り、JRAの賞金予算は基本的に「当年度の馬券売上の予算」に基づいて決定されます。馬券売上の予算とは、一般的な企業の業績予想と同様に、「今年はどのくらいの売上が見込めるか」をJRAが予測した金額です。
あくまで予測であるため、基本的には前年度までの馬券売上の動向に基づいて決定されます。そこでまずは、昨年度までの馬券売上の年次推移を確認しておきましょう。
JRAの馬券売上は2021年度も引き続き好調に推移し、前年比3.6%増、売得金ベースで3兆911億円となりました。成長率でも前年を上回り、これで10年連続のプラス成長、そして3兆円の大台奪還は、2003年以来18年ぶりとなります。
ちなみにこの金額は、1990年の3兆984億円とほぼ同水準です。1990年=平成2年と言えば、17万人の観客を前にオグリキャップの劇的ラストランで幕を閉じた、第2次競馬ブームの象徴とも言える年です。当時はバブル経済も背景に急激に売上を伸ばしていた時期で、その後ピークの1997年には4兆円に達しました。今回はバブル期とは異なり、静かで着実な成長が長期間続いている形となります。この成長が果たしてどこまで続くのか、再度4兆円を目指す展開になるのか、注目したいところです。
そして、この好調な売上トレンドを受け、2022年度の売上予算は前年比5.21%の増加となりました。 …
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全文5788文字 (現在971文字まで表示)
2022年度の賞金変更ポイント / G1賞金の「大幅増額」と「格差拡大」 / 出走奨励金の対象拡大がもたらす心理的影響 / 3勝クラス出走優先順変更の影響
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