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レポートNo.054 |

募集価格1000万円台馬の活躍可能性を考える

低価格帯馬のクラシック活躍、狙い目は?
今年の春の牝馬クラシックでは、デアリングタクトが見事無敗での2冠を達成しました。

そのデアリングタクトの募集価格は1760万円と、比較的安価な価格帯でした。今世紀において、募集価格1000万円台のクラブ馬が春のクラシックを制したのは、2005年にオークスを制したシーザリオ(1400万円募集)以来、15年ぶり2頭目の快挙となり、2冠馬は初となります。

また、昨年のオークス3着馬で、今年の宝塚記念を制したクロノジェネシスも、募集価格は1400万円と安価な価格帯でした。

以下では、こうした春クラシックにおいて5着以内に入着を果たした、1000万円台募集のクラブ馬をまとめました。

募集価格1000万円台クラブ馬
春クラシック掲示板入着馬一覧
馬名
レース募集価格
(万円)
2020デアリングタクト優駿牝馬(G1)11760
2020ウインマイティー優駿牝馬(G1)31400
2020デアリングタクト桜花賞(G1)11760
2019クロノジェネシス優駿牝馬(G1)31400
2019クロノジェネシス桜花賞(G1)31400
2018リリーノーブル優駿牝馬(G1)21800
2018リリーノーブル桜花賞(G1)31800
2017アエロリット桜花賞(G1)51400
2014バウンスシャッセ優駿牝馬(G1)31800
2014ブランネージュ優駿牝馬(G1)51400
2014マイネルフロスト東京優駿(G1)31100
2014レッドリヴェール桜花賞(G1)21600
2014ウインフルブルーム皐月賞(G1)31500
2013フロアクラフト優駿牝馬(G1)51800
2013ローブティサージュ桜花賞(G1)51500
2012アイスフォーリス優駿牝馬(G1)31400
2011ウインバリアシオン東京優駿(G1)21800
(2011年以降)


こうしてみると、さすがに頭数は多くはないものの、最近においては比較的コンスタントに登場していることがうかがえます。特に牝馬クラシックでは、今年のオークス3着馬ウインマイティーも同じく1000万円台のクラブ馬であり、ここ4年連続で1000万円台のクラブ馬が、春のクラシックで上位を賑わしており、1つのトレンドとも言えそうな勢いです。


誰もが知る通り、競走馬に付けられる価格とは、その馬の活躍期待度を端的にあらわす指標でもあります。その期待値をくつがえして、世代の頂点を極めるレースまで駒を進め、さらには好走を果たすということは、「自身の相馬眼によりその馬を発掘できた」という思いをより強く感じられるはずで、一口馬主ライフの中でも、大きな醍醐味の一つと言えるのではないでしょうか。

今回は、こうした1000万円台募集のクラブ馬にフォーカスして、クラシック路線を中心にその活躍可能性、さらには出資検討時の狙い目などを探っていきたいと思います。

1000万円台クラブ馬に関する基礎知識

まずはそもそも、1000万円台のクラブ馬は、クラブ馬全体においてどのぐらいの割合を占めるのか、確認しておきましょう。以下は、現3歳、2017年産のクラブ馬について、募集価格帯の割合を示すグラフになります。





現3歳馬において、1000万円台の馬は約41%を占めています。これはクラブ馬の中では最多勢力であり、次点である2000万円台の22%を大きく引き離しています。これでも、以前 「第33回 クラブ馬の募集価格の推移と傾向」で見たように、近年の競走馬全体の価格上昇により、1000万円台の割合は、中長期的には減少傾向にあるのですが、いまなお多数派を占めていることが分かります。

また、先ほどのクラシック掲示板入着馬の一覧表では、明らかに性別による傾向が見られましたが、同じく2017年産馬において、この1000万円募集馬の内訳を、性別の割合で確認してみましょう。





1000万円台募集馬においては、牝馬が54%と、牡馬よりもやや多いというデータが得られました。ご存じの通り、馬の価格は総じて牝馬の方が安く設定されることから、低価格帯において牝馬の割合が多くなるのは、自然な構図と言えるでしょう。

1000万円台の馬でクラシックを目指すには

ただ、牝馬の割合が多いとはいえ、そこまで圧倒的な差とも言えません。 …
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1000万円台の馬でクラシックを目指すには / 性別による競走能力の差 / 価格の壁 / 安いながらも狙い目になる馬とは

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著者
一口馬主DB 編集部