レポートNo.122 |
1歳下に全きょうだい(弟妹)がいる馬は、活躍する可能性が高い?
「出来の良さ」を下の配合から読み取る
今回は読者の方からのリクエストに基づいて、「1歳下に全きょうだい(弟妹)がいる馬」の活躍可能性を分析します。
通常、出資検討においてきょうだい馬に着目する際は「上」、つまり兄姉の活躍を確認するのが一般的です。そこをあえて「下」の弟妹に注目する回となります。本連載でも初の試みではないでしょうか。
そこにはどのような狙いがあるか、頂いたリクエストがわかりやすく表現されているため、まずは全文を紹介させていただきます。
「仔馬の素質を判断するには、成長が進んでいったん形が崩れる段階より、むしろ生後すぐの方が良い」といった話は、一口馬主を続けていると一度は見聞きしたことがあるかもしれません。
ただ、私たち一口馬主が生まれたての仔馬を目にする機会は通常ありません。また、一口馬主はおもに1歳馬の検討に慣れていますので、仮に生後間もない仔馬を見せられても、そこから活躍可能性を読み取ることは難しいと思われます。
一方、それを生業として長年厳しい目で見ている生産者であれば、仔馬が無事に生まれたその瞬間、ホッと胸をなでおろすと同時に、競走馬としての将来性についても、なかば本能的に良し悪しのジャッジをしているはずです。
そして、その仔馬の出来が特に良いと判断すれば、その母の同年の配合相手に「同じ種牡馬を付けてみようか」と考えることもごく自然な流れと言えます。なにしろ、実際に身銭を切る意思決定をしているのですから、並みの言葉よりも説得力があります。
幸い、多くのクラブでは募集時期が1歳の6月以降となります。つまり、1歳下の弟妹がいればすでに生まれている時期であり、そうした馬の存在を知ることは今の時代、比較的容易です。
通常、出資検討においてきょうだい馬に着目する際は「上」、つまり兄姉の活躍を確認するのが一般的です。そこをあえて「下」の弟妹に注目する回となります。本連載でも初の試みではないでしょうか。
そこにはどのような狙いがあるか、頂いたリクエストがわかりやすく表現されているため、まずは全文を紹介させていただきます。
募集馬の母馬を調べていると、同じ種牡馬を2年連続で付けている時があります。そういった場合、募集馬の牧場PRコメントでは、「本馬の出来が良かったから次も同じ種馬を付けました」といったコメントをよく目にします。
連続で同じ種牡馬を付けるということは、その配合や、実際に最初に産まれた仔馬の出来への自信の表れだと思いますが、その生産馬の成績が実際に良いのか非常に気になっています。
2年連続で付けたとして、1年目の馬を見て次も付けてみたが、2年目は期待通りの出来では無かったという可能性も考えられるので1年目の馬の成績をベースに検証して頂きたいです。一口データ研究室 リクエストフォーム より一部編集・整形
「仔馬の素質を判断するには、成長が進んでいったん形が崩れる段階より、むしろ生後すぐの方が良い」といった話は、一口馬主を続けていると一度は見聞きしたことがあるかもしれません。
ただ、私たち一口馬主が生まれたての仔馬を目にする機会は通常ありません。また、一口馬主はおもに1歳馬の検討に慣れていますので、仮に生後間もない仔馬を見せられても、そこから活躍可能性を読み取ることは難しいと思われます。
一方、それを生業として長年厳しい目で見ている生産者であれば、仔馬が無事に生まれたその瞬間、ホッと胸をなでおろすと同時に、競走馬としての将来性についても、なかば本能的に良し悪しのジャッジをしているはずです。
そして、その仔馬の出来が特に良いと判断すれば、その母の同年の配合相手に「同じ種牡馬を付けてみようか」と考えることもごく自然な流れと言えます。なにしろ、実際に身銭を切る意思決定をしているのですから、並みの言葉よりも説得力があります。
幸い、多くのクラブでは募集時期が1歳の6月以降となります。つまり、1歳下の弟妹がいればすでに生まれている時期であり、そうした馬の存在を知ることは今の時代、比較的容易です。
すでに全兄姉がいると話が変わる?
とはいえ、ここまではあくまで仮説ですので、データを用いて検証していきましょう。
まず、今回の分析対象ですが、現5歳世代から10世代前まで、2012~2021年生まれの中央競馬登録馬とします。その中で「1歳下に全弟妹がいる馬」を分析のターゲットとします。
ただし、その中から「上に全兄姉がいる馬」は今回のターゲットからは除くものとします。これは今回の分析、あるいは本稿を実際に活用する際にも重要なポイントになりますので、図を用いて解説していきます。なお、集計上、こうしたきょうだい馬の存在判定は、血統登録に至った馬を対象とします。
先日のフェブラリーステークスで史上3頭目の連覇を果たしたコスタノヴァと2018年のダービー馬ワグネリアンは、ともに母の4番仔であり、1歳下に全弟がいるという点では共通しています。
一方、ワグネリアンは自身の前にすでに2頭の全姉がいたのに対し、コスタノヴァにはおらず、初めての配合であったという違いがあります。先ほどの基準に照らすと、今回の分析ターゲットになるのはコスタノヴァのみとなります。
なぜ全兄姉がいる馬は除くのかと言えば、そうしたケースで出来の良さを生産者が感じたのは対象馬ではなく、さらに上の全兄姉馬の出来や、実際の活躍を見て再配合に至った可能性があるためです。
もちろん、活躍馬の同配合による再現を狙うこと自体は何も問題がなく、むしろ出資検討においては一般的に血統上のプラス材料に捉えられます。ただ、今回はあくまで純粋な「その馬の出来の良さ」という、より本質的な情報にアプローチしたいため、分析ターゲットからは外す形としました。
なお、ワグネリアンの母のように、当初からディープインパクトにこだわって繰り返し種付けすることは、産駒の出来にかかわらず、いわゆるベストtoベストを意識した配合とも読めます。
そうした良血の全きょうだい馬を量産する配合は、特に種牡馬ディープインパクト全盛期には、多く見られた時期がありました。その中からワグネリアンの他にも、シャフリヤールやリアルスティールなど多くの名馬が産まれており、王道配合術の1つであることに疑いの余地はありません。
ただ、そういったベストtoベストの配合の狙いは、やはり今回の主旨からはズレてしまいますので、今回の分析ターゲットからは外れても問題ないと言えるでしょう。
まず、今回の分析対象ですが、現5歳世代から10世代前まで、2012~2021年生まれの中央競馬登録馬とします。その中で「1歳下に全弟妹がいる馬」を分析のターゲットとします。
ただし、その中から「上に全兄姉がいる馬」は今回のターゲットからは除くものとします。これは今回の分析、あるいは本稿を実際に活用する際にも重要なポイントになりますので、図を用いて解説していきます。なお、集計上、こうしたきょうだい馬の存在判定は、血統登録に至った馬を対象とします。
1歳下に全弟妹がいても、すでに同配合の全兄姉がいれば今回対象外
先日のフェブラリーステークスで史上3頭目の連覇を果たしたコスタノヴァと2018年のダービー馬ワグネリアンは、ともに母の4番仔であり、1歳下に全弟がいるという点では共通しています。
一方、ワグネリアンは自身の前にすでに2頭の全姉がいたのに対し、コスタノヴァにはおらず、初めての配合であったという違いがあります。先ほどの基準に照らすと、今回の分析ターゲットになるのはコスタノヴァのみとなります。
なぜ全兄姉がいる馬は除くのかと言えば、そうしたケースで出来の良さを生産者が感じたのは対象馬ではなく、さらに上の全兄姉馬の出来や、実際の活躍を見て再配合に至った可能性があるためです。
もちろん、活躍馬の同配合による再現を狙うこと自体は何も問題がなく、むしろ出資検討においては一般的に血統上のプラス材料に捉えられます。ただ、今回はあくまで純粋な「その馬の出来の良さ」という、より本質的な情報にアプローチしたいため、分析ターゲットからは外す形としました。
なお、ワグネリアンの母のように、当初からディープインパクトにこだわって繰り返し種付けすることは、産駒の出来にかかわらず、いわゆるベストtoベストを意識した配合とも読めます。
そうした良血の全きょうだい馬を量産する配合は、特に種牡馬ディープインパクト全盛期には、多く見られた時期がありました。その中からワグネリアンの他にも、シャフリヤールやリアルスティールなど多くの名馬が産まれており、王道配合術の1つであることに疑いの余地はありません。
ただ、そういったベストtoベストの配合の狙いは、やはり今回の主旨からはズレてしまいますので、今回の分析ターゲットからは外れても問題ないと言えるでしょう。
1歳下に全弟妹がいる活躍馬リスト
前置きが長くなりましたが、そろそろデータを見ていきましょう。 …
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すでに全兄姉がいると話が変わる? / 1歳下に全弟妹がいる活躍馬リスト / アベレージと大物率
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