2024-09-16現在データ
HOME > ノウハウ読み物 > 輸入繁殖産駒の躍進と国別ランキング【一口データ研究室】
一口データ研究室
気になるテーマをデータで深く分析する、一口馬主ライフに役立つレポート集
-連載中-
レポートNo.055 |

輸入繁殖産駒の躍進と国別ランキング

最近の輸入繁殖産駒の動向を考察
ここのところ、輸入繁殖を母に持つ産駒の活躍が目立っています。

2019年のG1戦線を振り返ると、年度代表馬に輝いたリスグラシューを筆頭に、実に13勝を輸入繁殖の産駒があげており、これは母が内国産である産駒の8勝を、大きく上回りました。

このように輸入繁殖の産駒が、内国産繁殖の産駒を年間G1勝利数において上回ることは珍しく、実に16年ぶりのことでした。





また、2019年における輸入繁殖産駒の複数G1勝利はリスグラシューのみです。つまり、たまたま強い馬が1、2頭出たからというわけではなく、多彩な顔ぶれの輸入繁殖産駒たちが、ダービー、オークス、両グランプリなどの主要G1を、次々と制していきました。


【2019年度】 輸入繁殖産駒のG1勝利一覧
馬名勝鞍母生産国
アルアイン大阪杯アメリカ
グランアレグリア桜花賞アメリカ
フィエールマン天皇賞(春)フランス
アドマイヤマーズNHKマイルCアイルランド
ラヴズオンリーユー優駿牝馬アメリカ
ロジャーバローズ東京優駿イギリス
リスグラシュー宝塚記念、有馬記念フランス
タワーオブロンドンスプリンターズSイギリス
ワールドプレミア菊花賞ドイツ
ラッキーライラックエリザベス女王杯アメリカ
レシステンシア阪神JFアルゼンチン
サリオス朝日杯FSドイツ


さらには、重賞戦線全体を通じても、輸入繁殖産駒は2000年以降の自己ベストである48勝をマークしており、2019年は、輸入繁殖産駒の勢いを感じさせる、象徴的な年になったと言えそうです。


この輸入繁殖産駒のG1勝利リストでまず目に付くのは、ひとくちに「輸入繁殖」とひとくくりにできないほど、国際色豊かな様相を呈していることです。最多輸入勢力であるアメリカ、おなじみの欧州、そしてレシステンシアの母などは、最近目にすることも増えた南米アルゼンチンの出身です。

また、そのレシステンシアもそうですが、クラブ馬が目に付くのも特徴で、13勝のうち、実に9勝をクラブ馬が占めています。つまり、私たち一口馬主の出資検討においても、こうした輸入繁殖産駒の取捨選択は、名馬を引き当てるために、もはや避けては通れない時代になったと言えそうです。

しかし、特に初仔や2番仔など、まだ産駒実績のない輸入繁殖産駒の検討においては、そもそも何を基準に母を評価をすればいいのか、判断に迷う場面もあるのではないでしょうか。これほど輸入繁殖の出身国がバリエーション豊かになってくると、なおさらです。


今回のレポートでは、こうした輸入繁殖産駒の勢いが本物なのかどうかを考察しながら、最後に輸入繁殖の生産国別の成績ランキングも作成し、出資に役立つ傾向を探っていきたいと思います。

輸入繁殖産駒は本当に優秀なのか

まずは実際のところ、G1や重賞戦線で一流馬の活躍が目立ってきているとはいえ、輸入繁殖産駒全体を見渡した場合、そもそも本当に優秀と言えるかどうか、あらためてデータで見ていきたいと思います。 …
本レポートは、プレミアム会員登録でご覧いただけます。
全文4505文字 (現在1245文字まで表示)
輸入繁殖産駒は本当に優秀なのか / サンデーサイレンス系種牡馬との親和性 / 輸入繁殖産駒 国別 ランキング

プレミアム会員ご案内
すでにプレミアム会員の方は ログイン してご覧ください
一口データ研究室
【2024年版】2歳新種牡馬:8月時点の通信簿 ダートでつぶしが効く種牡馬、効かない種牡馬 大物が出やすい募集価格に変化の兆し? 牝馬(の方)が得意な厩舎7選 母と同じ厩舎に預託される馬の活躍可能性 「左後一白の馬は走る」は本当? ダート3冠への出走条件から考える「今後のダート馬出資戦略」 未勝利続戦馬の「解放元年」 【2023年度】 年間騎手評価ランキング 春クラシック切符をつかむための「勝ち上がり期限」 [更新]新馬戦勝ち負け基準タイム2023 2023年クラシック世代「クラブ3冠」ランキング 2歳新種牡馬:初年度8月終了時点の通信簿 ブレイク直前!若手調教師名鑑2023 「空胎明けの仔は走る」は本当? 2023年に覚えておきたい「次世代ニックス」10選 「未勝利善戦マン」が出世する可能性は? ブラックタイプで確認すべき「近親活躍馬」の優先順位 「早生まれ」のクラシック活躍可能性【2023年度版】 2023年度のJRA賞金・ルール変更を読み解く 【2022年度】 年間騎手評価ランキング 中央から地方に移籍してどこまで稼げる? [更新]新馬戦勝ち負け基準タイム2022 2022年クラシック世代「クラブ3冠」ランキング 2022年クラブ別出資攻略ガイド 【vol.4】 2022年クラブ別出資攻略ガイド 【vol.3】 2022年クラブ別出資攻略ガイド 【vol.2】 2022年クラブ別出資攻略ガイド 【vol.1】 サンデーサイレンスのクロス効果はどこまで本物? クラブ馬の「3勝クラスの壁」について考える 出資馬が「障害入り」したときに知っておくべきポイント 2022年度のJRA賞金・ルール変更を読み解く 【2021年度】 年間騎手評価ランキング 馬名応募のクラブ別傾向と対策 2021 [更新]新馬戦勝ち負け基準タイム2021 2021年クラシック世代「クラブ3冠」ランキング 「初仔」出資時に注意すべきポイントと狙い目 ポスト・ディープインパクト時代の出資戦略 厩舎の「距離適性」はどこまで重要か 「馬が買えない時代」のクラブ掛け持ち戦略【後編】 「馬が買えない時代」のクラブ掛け持ち戦略【前編】 「3アウト」から復活する馬の可能性 去勢は本当に効果があるのか検証する 「3歳3月新馬戦廃止」の影響を考える 【2020年度】 年間騎手評価ランキング 未勝利のまま中央で続戦する馬の可能性 [更新] 新馬戦の追い切り傾向の変化 2020年クラシック世代「クラブ3冠」ランキング 輸入繁殖産駒、国別の成績傾向と対策 輸入繁殖産駒の躍進と国別ランキング 募集価格1000万円台馬の活躍可能性を考える 母父サンデーサイレンス系の攻略辞典 母父キングカメハメハVS母父ディープインパクト クラブ馬の「東西格差」はどこまである? ダートの大物を引き当てる難易度と出資時ポイント 「京都競馬場長期休止」で笑う種牡馬、泣く種牡馬 【2019年度】 年間騎手評価ランキング 馬券回収率の高いクラブ、低いクラブは? [更新] 新馬戦の追い切り傾向の変化 親の健康から産駒の健康を予測する クラブ馬でクラシックを狙うための傾向と対策 出資馬が毎週出走するには、何頭必要? 短距離系種牡馬はお買い得? 新規開業調教師への出資時ポイント 「超高額馬」のコストパフォーマンス 調教師定年転厩の影響&再生が得意な厩舎 転厩の効果とクラブ別転厩傾向 JRAの賞金手当は今後も増える? 【2018年度】 騎手評価ランキング 好不調の波が大きいクラブ、安定したクラブ [更新] 新馬戦の追い切り傾向の変化 クラブ馬の募集価格の推移と傾向 入厩前の手術による影響は? 「お買い得」な種牡馬の世代は? 新種牡馬の検討において注意すべき世代 新種牡馬は2年目産駒が狙い目? 種牡馬の年齢と産駒の成績の関係 未勝利戦デビューする馬の可能性 外国産馬の出資における傾向と対策 外国産馬の歴史と現在 【2017年度】 騎手評価ランキング [更新] 新馬戦の追い切り傾向の変化 地方転出→中央復帰馬が活躍する条件 重賞馬の下、全兄弟と半兄弟の違いは? 兄、姉が重賞馬のコストパフォーマンス 管囲が細いと故障も増える? 意外と知らない?「測尺」の基本 募集時の人気と成績の関係 エリート条件馬の選びかた 条件馬のままで、どこまで稼げる? 牡馬vs牝馬 コストパフォーマンス比較 【2016年度】 騎手評価ランキング 【クラブ別】馬名応募の傾向と対策 新馬戦で勝ち負けできる基準調教タイム 母の競走成績と繁殖成績の関係 新馬戦の結果で将来はどこまで決まる? 早期入厩・早期デビューは良いこと? 馬体重と適性、デビュー時期、故障の関係 馬体重(馬格)と成績との関係 インブリード vs アウトブリード 芝馬とダート馬のコストパフォーマンス 父と同じ毛色の仔は走る? 母の年齢考察 ~母高齢や初仔は? 早生まれ、遅生まれは良い?悪い?
(連載中)
著者
一口馬主DB 編集部