レポートNo.033 |
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クラブ馬の募集価格の推移と傾向
今回は、クラブ馬の募集価格の推移について、取り上げたいと思います。
最近は、例年より好調な売れ行きのクラブも増えており、業界全体が盛り上がることは当サイトとしても嬉しい限りですが、一方で、募集価格が少し上がってきているのでは?と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
クラブ馬に限らず、経済商品である競走馬の取引においては、基本的には需要と供給の市場バランスが作用して、価格が決まっていきます。
分かりやすいのは、買い手が値段を決めていく「セリ市」での光景ですが、クラブ馬の場合は、売り手であるクラブが価格を決めるという違いがあります。つまりは、需要を予想して値付けする必要があるということで、実際にクラブの方とお話していると、この値付けに関してはなかなか頭を悩ます場面も多いと聞きます。
クラブの形態や方針などによって価格の決定プロセスは異なりますが、いずれにせよ、需要を見誤ると売れ残りが生じやすくなるというリスクがあるため、真剣かつ慎重になるのも当然と言えるでしょう。
先述したように、今は明らかに全体的な需要が高まっている時期と思われますが、過去からの推移を俯瞰しながら、クラブ馬の募集価格の動向について見ていきたいと思います。
最近は、例年より好調な売れ行きのクラブも増えており、業界全体が盛り上がることは当サイトとしても嬉しい限りですが、一方で、募集価格が少し上がってきているのでは?と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
クラブ馬に限らず、経済商品である競走馬の取引においては、基本的には需要と供給の市場バランスが作用して、価格が決まっていきます。
分かりやすいのは、買い手が値段を決めていく「セリ市」での光景ですが、クラブ馬の場合は、売り手であるクラブが価格を決めるという違いがあります。つまりは、需要を予想して値付けする必要があるということで、実際にクラブの方とお話していると、この値付けに関してはなかなか頭を悩ます場面も多いと聞きます。
クラブの形態や方針などによって価格の決定プロセスは異なりますが、いずれにせよ、需要を見誤ると売れ残りが生じやすくなるというリスクがあるため、真剣かつ慎重になるのも当然と言えるでしょう。
先述したように、今は明らかに全体的な需要が高まっている時期と思われますが、過去からの推移を俯瞰しながら、クラブ馬の募集価格の動向について見ていきたいと思います。
平均募集価格の推移
それでは、さっそく基本的なデータを見ていきましょう。以下のグラフは、1998年産から2017年産まで、過去20年の全中央クラブ馬の平均募集価格の推移となっています。
なお、ファンド開始前の募集中止、あるいは中央登録することなくファンド解散した馬については除外しています。また、牡馬と牝馬では価格の水準が異なりますが、牡馬牝馬の比率は毎年ほぼ一定なことから、性別差は補正していません。また、維持費等をあらかじめ募集価格に含むケースがあるクラブは除いており、2017年産は本稿公開時点で未発表の1クラブと、各クラブの今後の追加募集馬も含まれない形となります。
さすがに20年もの期間となると、それなりの変動があったことが読み取れるグラフとなっています。
2017年産馬の平均価格は、過去20年最高値の2809万円。先述のように、まだここから追加となる馬が少しいますが、ボリューム的に大きく変動することはありません。単純に平均値で見ていくと、今の相場はかなり高い水準に見えます。
上昇のトレンド自体はかなり前からあり、2008年産から2015年産にかけては毎年増加、特に2014年産から2015年産は236万円と大きな上昇があり、その反動か2016年産で一息ついたものの、2017年産で再度346万円と大きな上昇となりました。
ただし、最近の上昇トレンドが過去と比較して、異次元の領域なのかと言えばそうでもなく、例えば1997年産は2548万円と、この集計期間中3番目であり2016年産とほぼ同水準となっています。この90年代後半あたりが最初のピークで、そこから2003年産から2004年産にかけて大きく下がって、数年は低い水準で推移した後、現在は第2の山が来ていると読み取れます。
なお、ファンド開始前の募集中止、あるいは中央登録することなくファンド解散した馬については除外しています。また、牡馬と牝馬では価格の水準が異なりますが、牡馬牝馬の比率は毎年ほぼ一定なことから、性別差は補正していません。また、維持費等をあらかじめ募集価格に含むケースがあるクラブは除いており、2017年産は本稿公開時点で未発表の1クラブと、各クラブの今後の追加募集馬も含まれない形となります。
さすがに20年もの期間となると、それなりの変動があったことが読み取れるグラフとなっています。
2017年産馬の平均価格は、過去20年最高値の2809万円。先述のように、まだここから追加となる馬が少しいますが、ボリューム的に大きく変動することはありません。単純に平均値で見ていくと、今の相場はかなり高い水準に見えます。
上昇のトレンド自体はかなり前からあり、2008年産から2015年産にかけては毎年増加、特に2014年産から2015年産は236万円と大きな上昇があり、その反動か2016年産で一息ついたものの、2017年産で再度346万円と大きな上昇となりました。
ただし、最近の上昇トレンドが過去と比較して、異次元の領域なのかと言えばそうでもなく、例えば1997年産は2548万円と、この集計期間中3番目であり2016年産とほぼ同水準となっています。この90年代後半あたりが最初のピークで、そこから2003年産から2004年産にかけて大きく下がって、数年は低い水準で推移した後、現在は第2の山が来ていると読み取れます。
中央値の推移
さて、平均値だけを見ると今の相場はかなり高い水準にあると読み取れましたが、続いては中央値も見ていきましょう。 …
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全文4379文字 (現在1343文字まで表示)
平均募集価格の推移 / 中央値の推移 / 価格帯別の推移 / 高額馬に影響を与えている要素
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