2021-11-26現在データ
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馬体の見かた講座
馬を見る上での考え方から各馬体パーツの基本、種牡馬毎の特徴、専門家へのインタビューも
治郎丸敬之 著 / 連載中

岡田牧雄氏に聞く 馬を見る上で大切にすべきこと

100回記念インタビュー(前編)
今回は「馬体の見かた講座」連載100回記念ということで、当コラムにおける初めてのインタビュー相手(第23回 岡田牧雄氏インタビュー )であり、また記事としても非常に人気の高かった岡田牧雄さんに再びご登場いただきます。

読者の皆さまの多くはご存知だと思いますが、岡田さんは生産牧場である岡田スタッド、そして一口クラブであるノルマンディーオーナーズクラブを手掛けていらっしゃいます。

岡田牧雄さん プロフィール

1952年生。岡田蔚男氏の次男。父から受け継いだ牧場を岡田スタッドと改称し、規模を拡大。代表的な生産馬にマツリダゴッホ、スマートファルコン、タイトルホルダー。馬主としてスノードラゴンなど。ノルマンディーオーナーズクラブも手掛ける。(写真は2016年インタビュー時)

未勝利馬とオープン馬を分ける紙一重の差

― 今回のインタビューに臨むにあたって、前回のインタビューを改めて読んでみると、あのときは何となくしか理解していなかったけれど、今は岡田さんのおっしゃっていたことが良く分かる部分が結構ありました。あれから5年経って、僕も少し成長したのかと思い、嬉しかったです。

前回の振り返りをしつつ、今回はさらに掘り下げて、種牡馬別の特徴や走る産駒の見かたなどについて具体的に突っ込んで聞いていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。



岡田牧雄氏(以下、岡田) こちらこそよろしくお願いします。馬の見かたを伝えるのは難しいですね。私はクラブも手掛けている以上、馬を買わなければならないため、私と同じように馬を見てくれる人間を育てたいと常に思っているのですが、「いい馬がいました」と言われて実際に見てみると全然そうではなかったりします(笑)。自分では分かっていても、それを誰かに言葉で伝えることは本当に難しいです。それぞれの人が持っている捉え方やニュアンスの違いというか、感性の問題があるのではないでしょうか。

それぞれに感性が異なるとはいえ、馬の良し悪しを判断する基準にそれほど大きな違いはないと私は思っています。ただ、その良し悪しの紙一重の差によって、未勝利馬とオープン馬がいることを知ってもらいたいですね。

セリ場に行くと、「あの馬が1番馬だと言われている」とか、多くの人がその馬を注目しているとか、耳から入ってくる情報や雰囲気に流されてしまいがちです。そうした情報を基に馬を買っている人は多いと思いますよ。人間って弱いなと思います。ある情報を脳に入れてしまうと、それを覆せるようなものを自分自身が持っていないと、周りにいる他者に追随してしまうのですね。入ってくる情報に対して、どれが正しくて何が間違っていると冷静に判断できなければいけません。


― おっしゃるとおりだと思います。セリ場だけではなく、今の情報社会にも当てはまる奥の深い話です。目や耳から入ってくるあらゆるノイズのような情報を腑分けしながら、自分の頭で考え、自分の感性を信じて馬を見て、走る馬とそうでない馬の紙一重の差を見極めなければならないのですね。


岡田 自信を持たないと、絶対に馬は見られないですね。私のところでは、自信をつけてもらおうと思って、「この馬は君が選んだ馬だから覚えておいてね」と走る馬に関してはそう言います。そして走ったら、「やはり走ったね。あれはヒットだぞ」と褒めないと伸びませんし、自信もつきません。私自身はたくさんの失敗をして経験を積みましたが、その過程の中で走る馬を見つけて自信をつけました。

飛節の伸びと背中の連動

― 馬を見るためには、自分を信じることが何よりも大切ですね。言うは易く行うは難しですが、僕もまさにそう思います。

ところで、前回のインタビューを読み返して、ひとつ聞きたいことがあります。「飛節が最後まで真っすぐに伸びる馬は走る」と岡田さんはおっしゃっていましたが、これはウォーキングを見るだけでも分かりますか?それとも実際に、ある程度の速さで走らせてみないと分からないものでしょうか?



岡田 歩かせてみれば分かります。 …
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第100回 岡田牧雄氏に聞く「馬を見る上で大切にすべきこと」
著者
治郎丸敬之
新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」編集長。週刊Gallopにてコラムを連載中。競馬ブログ「ガラスの競馬場」を主宰。当コラムの書籍も発売中
馬体の見かた講座
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