一口ライフをもっと楽しくもっと便利に! 一口馬主の総合情報サイト
2019-10-19現在データ
HOME > ノウハウ読み物 > 【馬体の見かた講座】61.馬体のバランスを実例から見る~応用理論編 第4回
馬体の見かた講座
馬を見る上での考え方から各馬体パーツの基本、種牡馬毎の特徴、専門家へのインタビューも
治郎丸敬之 著 / 連載中

61.【応用理論】(4)馬体のバランスを実例から見る

基礎編の内容をベースに、より実践的な馬体の見かたを、「スター馬体チェック法」として解説する「応用理論編」。 今回は、「バランス」について語りたいと思います。スター馬体チェック法の中でも、最も重要でありながら、最も見極めが困難なポイントです。言葉で伝えるのが難しいところはありますが、できるだけ分かりやすく説明したいと思いますので、ぜひついてきてください。

馬体の「バランス」とは

「バランス」とは、馬体全体をシルエットとして見た時の、以下4点のバランスのことです。

・胴体
・脚の長さ
・首の太さ、長さ
・背中(腰)の角度

胴体については、応用理論編の前回「【応用理論編】 3 胴体から距離適性を見分けるには」でお話しました内容となりますので、今回は脚、首、背中について解説していきたいと思います。

脚が短い馬、長い馬

サラブレッドは、体高(き甲から脚先まで)と体長(胸から尻の先まで)が基本的に等しいです。つまり、胴体が短い馬は脚も短く、胴体が長い馬は脚も長い。ということは、胴部が詰まっている短距離馬は脚が短く、胴部に伸びがある長距離馬は脚が長い傾向にあるということです。

短距離馬は脚が短いため、ピッチ走法で走るので、スピードに乗りやすいのです。短距離馬の見分け方は、重心の位置を意識すると良いですね。短距離馬は脚が短い分、長距離馬に比べて重心の位置が低くなります。


それでは、当サイト名馬の募集カタログから、全体のバランスとして脚が短い馬を実際に見てみましょう。さすがに名馬ぞろいということもあり、極端に脚が短い馬を探すのは苦労しました。その中でも、比較的、脚が短く、重心が低い馬体であることが分かりやすいロールオブザダイスを選びました。


ガッチリした胴に短めの四肢が付いています。脚が短いため、馬体全体の重心の位置が低く映ります。馬体だけを見ると、ピッチ走法で走るため、明らかにダート戦や短い距離が合いそうです。実際には、ロールオブザダイスはダート戦の中距離で活躍しましたので、馬体からだけでは分からないスタミナを内包していたということになります。


対して、長距離馬は脚が長く、ストライド走法で走るため、スピードに乗るのに時間がかかります。人間と比べると、どのサラブレッドも脚は長く見えるのですが、その中でもスラっと脚が伸びている馬は、典型的な長距離馬であることが多いです。

こちらも名馬の募集カタログから、全体のバランスとして脚が長い馬を実際に見てみましょう。脚が長い名馬はたくさんいましたので、その中からも特に分かりやすいマイネルキッツを選びました。


脚が長くて、スラっと伸びているのが分かります。全体のバランスの中で、重心の位置も高い。ストライドが大きく、いかにも長い距離が合いそうです。マイネルキッツは馬体どおりの成長を遂げて、2009年の天皇賞・春を制し、翌年は2着したように、名ステイヤーとして活躍しました。


パッと見た瞬間に脚が短いな、重心が低いなと思ったら短距離馬であり、脚がスラっと長いな、重心が高いなと感じたら長距離馬です。どちらとも言えないのであれば、平均的な脚の長さの馬ということになります。必ずしも、脚の長さだけで短距離・長距離を見分けられるわけではなく、どっちつかずの脚の長さの馬の方が圧倒的に多いのが実際です。そんな中でも、パッと見て脚の長さの違いに気づくならば、その馬は典型的な短距離・長距離馬の馬体です。

首の太さ、長さ

サラブレッドが走るために、首は重要な役割を担っています。 …
本コンテンツは、プレミアム会員登録でご覧いただけます。
全文4547文字 (現在1581文字まで表示)

プレミアム会員ご案内
すでにプレミアム会員の方は ログイン してご覧ください
著者
治郎丸敬之
新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」編集長。週刊Gallopにてコラムを連載中。競馬ブログ「ガラスの競馬場」を主宰。当コラムの書籍も発売中
馬体の見かた講座
72.セリ市で学ぶ:馬を間近で見る実践 71.セリ市で学ぶ:背中の筋肉の見かた 70.馬体のメリハリ、目、顔つき 69.毛艶の良さから分かること 68.2019年社台サラブレッドクラブ推奨1歳馬を見てきました 67.なぜ社台ファームは坂路を「つくり直した」のか 66.[新種牡馬]ミッキーアイル&エピファネイア・キズナ・リアルインパクト 65.[新種牡馬]モーリス産駒の傾向と対策 64.[新種牡馬]ドゥラメンテ産駒の傾向と対策 63.新種牡馬の産駒を見る上で大切にすべきこと 62.【種牡馬別】キンシャサノキセキ産駒編 61.馬体のバランスを実例から見る 60.馬の動きを「メトロノーム」のイメージで見る 59.現役馬と1歳馬の違い、牡馬と牝馬の違い 58.「背中が良い」とはどんな馬? 57.素質以外に重要な要素 56.ゲートの出方は天性のもの? 55.胴体から距離適性を見分ける 54.セリ上場馬とクラブ募集馬の違い 53.【種牡馬別】ロードカナロア産駒編 52.【種牡馬別】オルフェーヴル産駒編 51.下村獣医師に聞く6[丈夫な馬体とは] 50.下村獣医師に聞く5[気性の見分け方] 49.梁川正普氏インタビュー【後編】 48.梁川正普氏インタビュー【前編】 47.秋田博章氏インタビュー【後編】 46.秋田博章氏インタビュー【中編】 45.秋田博章氏インタビュー【前編】 44.下村獣医師に聞く4[脚元の健康] 43.下村獣医師に聞く3[ノドの病気] 42.下村獣医師に聞く2[疲れやすい馬体とは] 41.下村獣医師(社台F)に聞く1[OCDと骨瘤] 40.【応用理論】2)馬体評価プロセスの体系化 39.【応用理論】1)より実践的な馬体の見かたへ 38.【種牡馬別】シンボリクリスエス産駒編 37.【種牡馬別】ブラックタイド産駒編 36.【種牡馬別】クロフネ産駒編 35.【種牡馬別】ゴールドアリュール産駒編 34.【種牡馬別】ハービンジャー産駒編 33.ハリー・スウィーニ氏インタビュー【後編】 32.ハリー・スウィーニ氏インタビュー【中編】 31.ハリー・スウィーニ氏インタビュー【前編】 30.【種牡馬別】ネオユニヴァース産駒編 29.【種牡馬別】ダイワメジャー産駒編 28.【種牡馬別】ハーツクライ産駒編 27.【種牡馬別】キングカメハメハ産駒編 26.【種牡馬別】ディープインパクト産駒編 25.岡田牧雄氏インタビュー【後編】 24.岡田牧雄氏インタビュー【中編】 23.岡田牧雄氏インタビュー【前編】 22.基礎編を振り返って 21.「歩様」は前から見ると分かりやすい 20.「歩様」を見る際の4つのポイント 19.歩き方の種類と「歩様」の基礎 18.「内向・外向」、「後肢」の肢勢 17.馬の肢勢~「前肢」の注意点 16.「飛節」を見るポイント 15.「後ろ脚の筋肉」の見かた 14.馬の生命線となる「蹄」 13.脚下のパーツ「球節」「繋」 12.前脚のパーツ「前腕」「膝」「管」 11.肺と心臓をあらわす「胸」 10.「尻」と「尻尾」の見かた 9.「背中」の見かたと「腹」との関係 8.「首」「き甲」「肩」を見る時のポイント 7.心を映し出す「目」と「耳」 6.理想的な「頭部」とは? 5.さまざまなプロポーションの見方 4.馬体のプロポーションから分かること 3.父に似ていることには意味がある 2.美点を見るか欠点を見るか 1.はじめに
(連載中)