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2019-04-21現在データ
HOME > ノウハウ読み物 > 【馬体の見かた講座】63.新種牡馬の産駒を見る上で大切にすべきこと~社台SS徳武英介氏インタビュー1
馬体の見かた講座
馬を見る上での考え方から各馬体パーツの基本、種牡馬毎の特徴、専門家へのインタビューも
治郎丸敬之 著 / 連載中

新種牡馬の産駒を見る上で大切にすべきこと

社台スタリオンステーション
徳武英介氏インタビュー 第1回
日々サラブレッドと向き合いながら、馬を見ることを仕事としている競馬関係者の方々へのインタビュー。今回からは社台スタリオンステーションの徳武英介さんに、初年度1歳産駒の募集がいよいよ本格開始される、注目の新種牡馬を中心にお話しをいただきます。序章となる今回は、一口馬主が出資するにあたっての馬の見かたについてヒントを頂きました。

種付けシーズンに突入した社台SSにうかがいました
お忙しい中ありがとうございました
社台スタリオンステーション (公式HP)

北海道勇払郡安平町。日本競馬界を代表する規模と実績を誇るスタリオン。現役ではディープインパクト、キングカメハメハ、ロードカナロア、ハーツクライなど多くのリーディング上位種牡馬を繋養。徳武英介さんは事務局で長年にわたり数々の名種牡馬に携わる。

今は競馬ファンにとって「良い時代」

― 実は今から15年前、私はまだ若くて(笑)、競馬のブログを書き始めたばかりの、どこの馬の骨とも分からない、いち競馬ファンでした。父の仕事の縁でキングカメハメハの日本ダービーの祝勝会に参加した翌日、金子真人オーナーの粋な計らいで、社台スタリオンステーションで種牡馬を見せていただく機会がありました。その時、丁寧に案内してくださったのが徳武さんでした。

シンボリクリスエスやマンハッタンカフェが当時の新種牡馬であり、黒光りする堂々とした馬体に畏怖の念を抱いたのを今でも覚えています。その後、「優駿」などの競馬雑誌で種牡馬について語られているのを読み、その表現力の豊かさに憧れていました。徳武さんにかかると、種牡馬のその人(馬)となりが読者にも伝わってくるようです。今日は久しぶりにお会いでき、お話しを聞く機会をいただけて光栄です。



徳武英介氏(以下、徳武) ありがとうございます。ここ数十年において、種牡馬の情勢も大きく変わりましたね。僕が若かった頃は輸入馬が全盛期の時代でした。今はお父さんが日本で走ったことのある産駒がほとんどですから、競馬ファンにとって、こんなに良い時代はありません。競馬関係者ではなくても、馬券にせよ一口馬主にせよ、頂点を極める(勝てる)可能性がある時代ということです。たとえば、サンデーサイレンスやトニービン、ブライアンズタイム、ミスタープロスペクター系など、その特徴を覚えているだけで、ほとんどの馬の血統を語ることができ、父や母に似ているかどうかも簡単に判断できるからです。

お父さんとお母さんの良さを忠実に受け継いでいるかどうかは重要です。基本的には走る馬しか種牡馬にはなっていませんから、その遺伝子を受け継げば産駒も走るはずです。ところが、中には繁殖牝馬に似た仔しか出さない種牡馬もいます。また、種牡馬の良さをそのまま引き出す繁殖牝馬もいれば、なぜか自分にしか似ていない仔を出す繁殖牝馬もいます。100m走が得意な親から砲丸投げやマラソンの選手が生まれてこないように、どれだけ親に似ているか、その資質を素直に受け継いでいるかを、まず見るべきです。

特にうち(社台グループ)は産駒が走らない種牡馬は種付けをしませんし、産駒が走らない繁殖牝馬は外に出してしまうので、結果が出ている種牡馬(もしくは繁殖牝馬)かまだ結果が見えていない種牡馬(もしくは繁殖牝馬)しか残っていないのです。そう考えてもらうと、最終的に走る走らないを分けるのは、どれぐらい父や母の良さを忠実に受け継いでいるかにかかっていることを理解していただけると思います。

成長曲線とコンフォメーション

― なるほど、とても分かりやすい論理です。優れた種牡馬と繁殖牝馬を配合している以上、どの馬も走る可能性が高く、走って当然なのですが、それでも最終的に走る走らないを隔てるのは、どれだけ両親に似ているか、良さを受け継いでいるのかということですね。そこを見極めるためには、種牡馬や繁殖牝馬の良さを知っておく必要がありますね。


徳武 はい、お父さんやお母さんの良さを踏まえた上で、その産駒が今、両親の良い状態を受け継いで理想的な形でいるのかどうかを見るということです。 …
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著者
治郎丸敬之
新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」編集長。週刊Gallopにてコラムを連載中。競馬ブログ「ガラスの競馬場」を主宰。当コラムの書籍も発売中
馬体の見かた講座
64.[新種牡馬]ドゥラメンテ産駒の傾向と対策 63.新種牡馬の産駒を見る上で大切にすべきこと 62.【種牡馬別】キンシャサノキセキ産駒編 61.馬体のバランスを実例から見る 60.馬の動きを「メトロノーム」のイメージで見る 59.現役馬と1歳馬の違い、牡馬と牝馬の違い 58.「背中が良い」とはどんな馬? 57.素質以外に重要な要素 56.ゲートの出方は天性のもの? 55.胴体から距離適性を見分ける 54.セリ上場馬とクラブ募集馬の違い 53.【種牡馬別】ロードカナロア産駒編 52.【種牡馬別】オルフェーヴル産駒編 51.下村獣医師に聞く6[丈夫な馬体とは] 50.下村獣医師に聞く5[気性の見分け方] 49.梁川正普氏インタビュー【後編】 48.梁川正普氏インタビュー【前編】 47.秋田博章氏インタビュー【後編】 46.秋田博章氏インタビュー【中編】 45.秋田博章氏インタビュー【前編】 44.下村獣医師に聞く4[脚元の健康] 43.下村獣医師に聞く3[ノドの病気] 42.下村獣医師に聞く2[疲れやすい馬体とは] 41.下村獣医師(社台F)に聞く1[OCDと骨瘤] 40.【応用理論】2)馬体評価プロセスの体系化 39.【応用理論】1)より実践的な馬体の見かたへ 38.【種牡馬別】シンボリクリスエス産駒編 37.【種牡馬別】ブラックタイド産駒編 36.【種牡馬別】クロフネ産駒編 35.【種牡馬別】ゴールドアリュール産駒編 34.【種牡馬別】ハービンジャー産駒編 33.ハリー・スウィーニ氏インタビュー【後編】 32.ハリー・スウィーニ氏インタビュー【中編】 31.ハリー・スウィーニ氏インタビュー【前編】 30.【種牡馬別】ネオユニヴァース産駒編 29.【種牡馬別】ダイワメジャー産駒編 28.【種牡馬別】ハーツクライ産駒編 27.【種牡馬別】キングカメハメハ産駒編 26.【種牡馬別】ディープインパクト産駒編 25.岡田牧雄氏インタビュー【後編】 24.岡田牧雄氏インタビュー【中編】 23.岡田牧雄氏インタビュー【前編】 22.基礎編を振り返って 21.「歩様」は前から見ると分かりやすい 20.「歩様」を見る際の4つのポイント 19.歩き方の種類と「歩様」の基礎 18.「内向・外向」、「後肢」の肢勢 17.馬の肢勢~「前肢」の注意点 16.「飛節」を見るポイント 15.「後ろ脚の筋肉」の見かた 14.馬の生命線となる「蹄」 13.脚下のパーツ「球節」「繋」 12.前脚のパーツ「前腕」「膝」「管」 11.肺と心臓をあらわす「胸」 10.「尻」と「尻尾」の見かた 9.「背中」の見かたと「腹」との関係 8.「首」「き甲」「肩」を見る時のポイント 7.心を映し出す「目」と「耳」 6.理想的な「頭部」とは? 5.さまざまなプロポーションの見方 4.馬体のプロポーションから分かること 3.父に似ていることには意味がある 2.美点を見るか欠点を見るか 1.はじめに
(連載中)