
46.秋田博章氏インタビュー【中編】
前編に引き続き、ノーザンファームの元場長として数々の名馬の生産と育成に携わり、現在はキャロットクラブの取締役を務められる秋田博章さんのインタビューをお届けします。今回はより具体的なパーツの見かたや、キングカメハメハ産駒の見かたなども解説頂きました。

姿かたちに加えて必要な要素
秋田博章氏(以下、秋田)
私はこれまで日本で一番強かったといわれるディープインパクトを見てきました。思い返してみると、セレクトセールで他のサンデーサイレンス産駒が続々と1億を超えて売られている中、ディープインパクトは7000万円で金子真人さんしか手を挙げなかった。キングカメハメハも金子さんひとりでした。そう考えると、誰も金子さんには敵わないのではないでしょうか(笑)。
セリ市では格好良く見える馬がいるのですよ。そういう馬は姿かたちも動きも良く見えるので、どうしても目が行ってしまいます。ただ最終的に足りないのが、頑張ろうという気持ち。サラブレッドにも、能力はあっても怠け者がいるのですね。そのあたりを見分けるのは非常に難しいです。
たとえばオルフェーヴルは、あれだけの名馬になったわけですが、兄弟や近親に去勢をされた馬が多いように、一歩間違えば、真面目に走らない可能性も十分にありました。そういう精神的なところも見て馬を買っているかというと、正直そうとは言えません。
―競走成績に大きな影響を与える精神的な部分まで見極めて馬を買うのは難しいですよね。オルフェーヴルがそうであったように、気性面での難しさがあるからと言って、イコール走らないというわけではなく、闘争心としてプラスに転じることもあるのですから。肉体面においても、最初は良く見せなかったにもかかわらず、あとからどんどん良くなってくる馬もいますよね。
秋田 はい、最初の頃は背中から腰にかけて弱さがある馬が結構います。 …
セリ市では格好良く見える馬がいるのですよ。そういう馬は姿かたちも動きも良く見えるので、どうしても目が行ってしまいます。ただ最終的に足りないのが、頑張ろうという気持ち。サラブレッドにも、能力はあっても怠け者がいるのですね。そのあたりを見分けるのは非常に難しいです。
たとえばオルフェーヴルは、あれだけの名馬になったわけですが、兄弟や近親に去勢をされた馬が多いように、一歩間違えば、真面目に走らない可能性も十分にありました。そういう精神的なところも見て馬を買っているかというと、正直そうとは言えません。
―競走成績に大きな影響を与える精神的な部分まで見極めて馬を買うのは難しいですよね。オルフェーヴルがそうであったように、気性面での難しさがあるからと言って、イコール走らないというわけではなく、闘争心としてプラスに転じることもあるのですから。肉体面においても、最初は良く見せなかったにもかかわらず、あとからどんどん良くなってくる馬もいますよね。
秋田 はい、最初の頃は背中から腰にかけて弱さがある馬が結構います。 …