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馬体の見かた講座
馬を見る上での考え方から各馬体パーツの基本、種牡馬毎の特徴、専門家へのインタビューも
治郎丸敬之 著 / 連載中

56.シュウジデイファーム 石川秀守氏インタビュー【前編】

ゲートの出方は天性のもの?
日々サラブレッドと向き合いながら、馬を見ることを仕事としている競馬関係者の方々へのインタビュー。これまで生産者や調教師、獣医師の方々に、馬体の見かたについてインタビューさせていただきましたが、育成牧場の方にお話を聞くのは初めてになります。

石川秀守(いしかわしゅうじ)さんプロフィール

北海道浦河にあるシュウジデイファーム代表。ウッドチップコースやBTCにある屋内ダートトラック、坂路馬場、グラス馬場等を使用して、馬を厳しく、優しく、慎重に育てている。主な育成馬に、モズアスコットやスーパーホーネット、キョウエイアシュラ、キャンディバローズ、ダノンレジェンドなど、多数の重賞レース活躍馬がいる。現役クラブ馬でもレヴァンテライオン、ドリームキラリなど活躍出身馬は多い。

モズアスコットでG1制覇

―競走馬を鍛える現場により近いところにいる方は、また異なった視点で馬を見ているのではないかと興味津々で浦河までやってきました。ぜひいろいろと教えてください。

まずは育成馬であるモズアスコットのG1安田記念制覇おめでとうございます!僕も単勝馬券が持っていたので、個人的にも嬉しかったです(笑)。



石川秀守氏(以下、石川) ありがとうございます。モズアスコットは海外のセリ市でオーナーが手に入れた馬でした。1歳の頃から、馬体に幅があり、手脚はやや短めでしたが胴部はスラリと長く、とても立派な馬であったことを覚えています。脚元の問題(種子骨が原因で生じた繫靭帯脚炎)による頓挫が何度かあって、3歳の新馬戦が終わった頃、ようやくデビューすることができました。育成の過程では良い動きを見せ、時計も出ていましたし、ゲートもきちんと出ていましたので、既走馬(レース経験馬)相手でも良い競馬をしてくれると思っていました。かなり期待して、娘を連れて競馬場まで観に行ったほどでした。

残念ながら最初の2レースは勝てませんでしたが、3戦目で勝ち上がると、あとはそのままトントンと4連勝して出世街道に乗ってくれました。一旦使い出したら、そこは矢作厩舎です。うち(シュウジデイファーム)でも休ませるというよりもきっちりと乗って、タイトなローテーションで安田記念まで走りました。レースを使うごとに、馬がしっかりしてきましたね。まさか安土城ステークスでは負けると思っていませんでしたが(苦笑)、連闘で安田記念に出走することができ、結果的に良かったです。

育成牧場の役割

― 1歳馬の馴致からデビューするまでの育成、そしてシュウジデイファームさんは外厩としても、目覚ましい実績を挙げています。一口馬主の方々にとって、育成牧場は出資した後の長い待ちの期間に当たるのですが、普段どのようなことが育成牧場では行われているのか、意外にもほとんど知られていないと思います。待ちの期間をも楽しめるように、育成の仕事について具体的に教えてください。


石川 最近はコンサイナー(セリで馬が売れやすくなるように、生産牧場から馬を預かり、馴致する者)が入って手が掛かっている馬も多く、馴致に苦労することは少なくなっていますが、中には検温をさせてくれない馬や脚を触らせてくれない馬もいて、手入れをすることから取り組むこともあります。 …
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第56回 ゲートの出方は天性のもの?
著者
治郎丸敬之
新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」編集長。週刊Gallopにてコラムを連載中。当コラムの書籍も発刊
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