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馬体の見かた講座
馬を見る上での考え方から各馬体パーツの基本、種牡馬毎の特徴、専門家へのインタビューも
治郎丸敬之 著 / 連載中

2022年社台サラブレッドクラブ推奨1歳馬を見てきました

社台TC/社台ファーム見学インタビュー2022
続いては社台サラブレッドクラブの2022年1歳馬募集、推奨募集馬10頭の紹介です。2019年以来になりますので、3年ぶりに社台ファームを訪れることができました。

社台ファームには3年ぶりの訪問
今回も雲一つない快晴の下、取材することができました
お忙しいところありがとうございました


当時はちょうど坂路を改修し、育成に変化を取り入れ始めたタイミングでした。それから3年が経ち、本年は桜花賞・オークスの2冠を制するなど、変革が実を結びつつあることを感じさせる中での再訪となり、これから出会う募集馬たちも将来が楽しみです。それではさっそく推奨馬全10頭のインタビュー、最新写真をお届けします。


※以下、当日の取材順に掲載を行っており、各馬の並びは推奨の順位を示すものではございません。
※カタログ写真以外の各種馬写真、インタビュー内容は2022年5月下旬時点。

【1】ソウルスターリングの21(・募集番号 64)

4/16 栗東 松永幹夫 厩舎予定
ブリックスアンドモルタル (母父 Frankel)
5000万円 / 40 (1口 125万円)
― まずはスターズオンアースの桜花賞とオークスの牝馬クラシック2冠制覇おめでとうございます。今年度の募集にも勢いがついたのではないでしょうか。


社台ファーム 青田力也氏(以下、青田) ありがとうございます。この勢いをそのままに、今年は10頭の推奨馬を紹介させてもらいます。

まずはソウルスターリングの21から。言わずとしれたG1馬ソウルスターリングの初仔であり、スターズオンアースの近親にもなります。牧場としても自信を持って提供できる存在です。ブリックスアンドモルタルにとっても初世代であり、この先、最も力を入れていくことになる種牡馬の1頭ですから楽しみしかありません。ソウルスターリングの21は発育も素晴らしいですし、血統どおりに育ってくれていますよ。


― お母さんのソウルスターリングはフレームが大きくて、黒光りする美しい馬体の持ち主でしたね。今でも走っている姿が目に浮かんでくるようです。ソウルスターリングの21は、お母さんとお父さんのどちら似でしょうか?


青田 どちら似と聞かれると、あいのこかなと答えるしかありません(笑)。お母さんのこの時期と比べると、そっくりと言うほどではなく、お父さんのテイストも出ているのかなと思います。ブリックスアンドモルタルの仔は、今の時期はどの産駒も肉づきが良く、この馬もそういう傾向はありますね。背中の長いところはお母さんの影響かもしれません。背丈に関してはこれから伸びてくるでしょうし、何よりお母さんよりも筋肉の発育は良く、馬体に厚みがあります。

性格的には活発な仔であり、この時間は普段は放牧地に出されていますので遊びたくて仕方ない仕草をしていますが、人間側が困ることをするタイプではありません。馬体重は現時点で382kg。競馬場に行く頃には大きくなっているはずであり、初仔とはいえ馬体の発育や健康に関して悩むところは全くありませんね。皮膚の艶感や張りは、良血ならではという感じがします。芝の1600mから2400mまで、全てをこなしてくれるのではと期待しています。


― それは心強い言葉です。ところで、預託予定厩舎が松永幹夫厩舎になっていますが、何か縁あってのものなのでしょうか?


青田 ソウルスターリングを管理されていた藤澤和雄元調教師が引退された中、このような存在を託すことができるこれからの調教師ということで、白羽の矢が立てられたのだと思います。牝馬の成績が良いという点も考慮されたのかもしれませんね。





【2】チェリーヒロインの21(・募集番号 17)

3/24 美浦 和田正一郎 厩舎予定
モーリス (母父 キングカメハメハ)
1600万円 / 40 (1口 40万円)
― 続いて2頭目はチェリーヒロインの21です。 …
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第109回 2022年社台サラブレッドクラブ推奨1歳馬を見てきました
著者
治郎丸敬之
新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」編集長。週刊Gallopにてコラムを連載中。当コラムの書籍も発刊
馬体の見かた講座
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