2022年G1サラブレッドクラブ推奨1歳馬を見てきました
G1TC/追分ファーム見学インタビュー2022
恒例のG1サラブレッドクラブ推奨馬インタビュー。ここ2年ほどはリモートでのインタビューとなっていましたが、今年は追分ファームで実際に馬を見せていただきながらのインタビューが実現しました。さっそくその模様をお届けします。
― 今年はようやくお会いできて嬉しいです。昨年、一昨年はリモート取材でしたから、こうして実際に募集馬を見せていただきながら、話を聞ける機会をくださって感謝しています。せっかくですから、僕がこうして対面して得た感覚的なものを含めて、できるだけ臨場感のあふれる記事にしていければと考えています。
まずは一昨年のインタビューで紹介してくださった8頭の募集馬の中から、セリフォス(シーフロントの19)とパーソナルハイ(パーソナルダイアリーの19)という重賞クラスの活躍馬が出ました。おめでとうございます。
追分ファーム リリーバレー井上朋哉氏(以下、井上) ありがとうございます。G1のタイトルを獲れなかったのは残念ですが、両馬共に頑張ってくれました。今年は募集馬の中から例年以上に絞り込んで、牡馬3頭・牝馬3頭、あわせて6頭を紹介させてもらいます。
追分ファームリリーバレーの雄大な調教施設遠景
ソーシャルディスタンスを意識しながらの取材となりました
皆さまお忙しい中ありがとうございました
ソーシャルディスタンスを意識しながらの取材となりました
皆さまお忙しい中ありがとうございました
― 今年はようやくお会いできて嬉しいです。昨年、一昨年はリモート取材でしたから、こうして実際に募集馬を見せていただきながら、話を聞ける機会をくださって感謝しています。せっかくですから、僕がこうして対面して得た感覚的なものを含めて、できるだけ臨場感のあふれる記事にしていければと考えています。
まずは一昨年のインタビューで紹介してくださった8頭の募集馬の中から、セリフォス(シーフロントの19)とパーソナルハイ(パーソナルダイアリーの19)という重賞クラスの活躍馬が出ました。おめでとうございます。
追分ファーム リリーバレー井上朋哉氏(以下、井上) ありがとうございます。G1のタイトルを獲れなかったのは残念ですが、両馬共に頑張ってくれました。今年は募集馬の中から例年以上に絞り込んで、牡馬3頭・牝馬3頭、あわせて6頭を紹介させてもらいます。
※以下、当日の取材順に掲載を行っており、各馬の並びは推奨の順位を示すものではございません。
※カタログ写真以外の各種馬写真、インタビュー内容は2022年5月下旬時点。
【1】ディアマイダーリンの21(牡・募集番号 G41)
井上 初仔がハービンジャーの牡馬で、やや薄手の馬体でしたが調教を重ねるにつれて幅も出て、ちょうど先々週に栗東に入厩しました。2番仔になるディアマイダーリンの21はすでに筋肉のメリハリがついていて、非常に整った馬体をしています。当歳からの変わり身が大きかった馬で、当歳の時期は毛がモコモコしていて見栄えがしない感じだったのですが、1歳になり、気候が暖かくなるにつれて変わってきましたね。現在の馬体重が444kgですから、レースに出る頃には500kg近くまで成長してくれるはずです。
― パッと見るだけで、立派な馬体というか、つくりがガッシリとして力強さが溢れているのが伝わってきます。煩さも見せているように、いかにも気が強そうですね。
お母さんのディアマイダーリンは、芝とダート両方の重賞戦線で活躍した素晴らしい牝馬でした。そもそも、ドレフォンも芝ダート問わず走る産駒を出していますからね。ドレフォンは母系の長所を引き出すタイプの種牡馬だと僕は思いますが、ディアマイダーリンの21も二刀流の走りを見せてくれるのでしょうか?
井上 走ってみなければ分からないというのが正直なところです(笑)。お母さんのディアマイダーリンは育成時代から評価の高かった馬でした。ハーツクライの牝馬らしく雄大な馬格を誇っていて、2歳のうちから2勝することができました。G1にこそ手が届きませんでしたが、重賞を獲ってお母さんとして帰ってきてくれて良かったです。ディアマイダーリンの牝系をさかのぼるとReluctant Guestがいて、オネストリーダーリンがニキーヤの妹になりますので、ゴールドアリュールと同じ一族ということです。ゴールドアリュールはダート馬でしたが、他の一族からは芝・ダート両方を走れる馬が出ています。
― なるほど、今勢いのあるニキーヤの一族ですね。ゴールドアリュールも日本ダービーで5着したように、実は芝でも走る馬でしたね。そう考えながらディアマイダーリンの21を見てみると、ゴールドアリュールの面影が重なってくるから不思議です。最初は芝で活躍し、次第にダートの鬼となっていく姿が目に浮かびます。実際の性格や馬体はどのような馬ですか?
井上 やはり牡馬らしく、気が強いですね。普段私たちが扱う分には、手を煩わせたりすることはありませんが、オンオフがはっきりしているかなという印象です。馬体的には母の父ハーツクライから受け継いでいるのか、胴部がゆったりとしていて、スプリンターという体型ではありませんね。動きは柔らかいというよりは、一歩一歩、しっかりと歩くという感じです。今のところ理想的な成長曲線を描いていて、お母さんはハーツクライ産駒らしい緩さがあったのに対し、この馬はドレフォン産駒らしいカチッとした馬体ですので、より早い時期からの活躍も見込めます。