生産者に聞く「スタリオンパレードでの種牡馬の見かた」

毎年、寒さが極まる雪まつりの時期になると、馬産地では種牡馬のパレード（展示会）がスタリオンごとに開催されます。基本的には生産者や馬主などの関係者に向けて種牡馬をお披露目する催しですが、その様子は最近では動画サイトなどでも公開され、一般の競馬ファンも見ることができるようになりました。

そこで今回は、スタリオンパレードというイベントで生産者は何を見ているのか、さらには一口馬主が種牡馬を吟味する上でのヒントについて、実際の生産者へのインタビューをお届けしたいと思います。

生産者としてご登場いただくのは、下村優樹さん。実は本コラムでは以前、生産牧場勤務の獣医師としてご登場いただいていますが、その後、大狩部牧場の代表に就任されました。

下村さんは就任後、牧場をさらに発展させるべく、新しい試みを次々とスタートさせています。そのひとつとして始まったYouTube「大狩部牧場・下村社長チャンネル」では、牧場の馬たちの成長や生の姿が鮮明に映し出され、下村社長の生産者としての想いが惜しみなく発信されており、競馬関係者のみならず一般の競馬ファンからも好評です。僕も毎日観ています（笑）。

獣医師かつ生産者の視点をお持ちということで、興味深いお話が聞けそうです。

──本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございます。

さっそくですが、そもそもなぜ、どのような目的で、生産者はスタリオンパレード（種牡馬展示会）に行くのでしょうか？

配合相手の選定に役立てるために行くということは分かるのですが、実際にパレードに参加して、直接種牡馬を見ておくことがどれほど重要なのかをお聞きしたいです。