若駒の育成と乳酸値、ミオスタチン遺伝子の奥深い関係
エクワインレーシング・瀬瀬賢さんインタビュー
日々サラブレッドと向き合いながら、馬を見ることを仕事としている競馬関係者の方々へのインタビュー。
今回は育成牧場エクワインレーシングの代表であり、獣医師でもある瀬瀬賢(せせ・まさる)さんに、最新の科学技術や研究知見を反映した育成事情について教えてもらおうと思います。
遺伝子や乳酸といった外からは見えないトレーニングの奥深さを知ることで、競走馬というアスリートに対する見かたが大きく変わるはずです。
今回は育成牧場エクワインレーシングの代表であり、獣医師でもある瀬瀬賢(せせ・まさる)さんに、最新の科学技術や研究知見を反映した育成事情について教えてもらおうと思います。
遺伝子や乳酸といった外からは見えないトレーニングの奥深さを知ることで、競走馬というアスリートに対する見かたが大きく変わるはずです。

瀬瀬 賢(せせ・まさる)さん
育成牧場・株式会社エクワインレーシング代表。獣医師。2012年の設立以来、科学的な根拠に基づいた最先端のトレーニングを積極的に取り入れる。主な育成馬にメルボルンカップ(豪G1)2着のワープスピードなど。2024年に日本最大級のリハビリ牧場「エクワインレーシング ヴィレッジ」をオープン。SNSでも積極的に情報発信を行っている。(Xアカウント)
「乳酸値」を計測する意味
──
本日は貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございます。エクワインレーシングさんは低酸素トレーニングを育成牧場として日本で初めて取り入れるなど、最先端を走っているイメージです。僕自身も所有馬を預けて育成してもらっていますので、こうして瀬瀬さんから直接お話を聞けて嬉しいです。
いきなり質問になりますが、瀬瀬さんは2万人近くのフォロワーを抱えるご自身のXアカウントで、育成馬のトレーニング動画を日々配信されていますよね。その中で、坂路の調教タイムとともに「20.5mmol」のように乳酸値も公表されているのが以前から気になっていました。
そもそもですが、乳酸値の計測にはどのような意味があるのでしょうか?
瀬瀬 賢氏(以下、敬称略) 馬はトレーニングをしていても「キツい」とは言いません。馬は草食動物なので、肉食動物から逃げるために疲れても走り続けますし、肢が痛くても走ります。馬たちの疲労度合いを知るためには、人間の勘ではなく、客観的な数字として得なければなりません。それが乳酸値ということです。
── 「息遣い」や「息の入り」といったもので馬の疲労具合を判断していたところを、数値化して把握するということですね。
瀬瀬 経験豊かな調教師さんなどであればそれでも良いのでしょうが、息遣いや息の入りといったものはデータ化できませんから、誰かに引き継ぐことは難しいですよね。
いきなり質問になりますが、瀬瀬さんは2万人近くのフォロワーを抱えるご自身のXアカウントで、育成馬のトレーニング動画を日々配信されていますよね。その中で、坂路の調教タイムとともに「20.5mmol」のように乳酸値も公表されているのが以前から気になっていました。
そもそもですが、乳酸値の計測にはどのような意味があるのでしょうか?
瀬瀬 賢氏(以下、敬称略) 馬はトレーニングをしていても「キツい」とは言いません。馬は草食動物なので、肉食動物から逃げるために疲れても走り続けますし、肢が痛くても走ります。馬たちの疲労度合いを知るためには、人間の勘ではなく、客観的な数字として得なければなりません。それが乳酸値ということです。
── 「息遣い」や「息の入り」といったもので馬の疲労具合を判断していたところを、数値化して把握するということですね。
瀬瀬 経験豊かな調教師さんなどであればそれでも良いのでしょうが、息遣いや息の入りといったものはデータ化できませんから、誰かに引き継ぐことは難しいですよね。
ものすごく基本的なことからお話すると、キツいトレーニングをすると乳酸値は上がります。 …












