2024-05-19現在データ
HOME > ノウハウ読み物 > 【種牡馬別】ネオユニヴァース産駒編 【馬体の見かた講座】
馬体の見かた講座
馬を見る上での考え方から各馬体パーツの基本、種牡馬毎の特徴、専門家へのインタビューも
治郎丸敬之 著 / 連載中

30.【種牡馬別】ネオユニヴァース産駒の見かた

今回はネオユニヴァースについて語っていきます。本来であれば、モーリスやゴールドアクターを出し、一気に日高のトップサイヤーにまで登り詰めたスクリーンヒーローの順番かと思いますが、スクリーンヒーローについては岡田牧雄さんがインタビューで熱く語ってくれましたし、何よりもクラブ馬としては片手で数えるほどしか産駒が存在しないという現状があります。

また、豊富な実績があるサンデーサイレンス系種牡馬、たとえばステイゴールドやゴールドアリュール、マンハッタンカフェなどを取り上げたかったのですが、この先、産駒が誕生しないことを考えると手控えざるをえません。そこで押し出されるようにして上がってきたのがネオユニヴァースです。

にもかかわらず、詳しく調べていけばいくほど、ネオユニヴァースの種牡馬としての素晴らしさを再認識することになりました。詳しくは後ほど語っていきますが、ちなみにネオユニヴァースの2017年度の種付け料は120万円だそうです。ヴィクトワールピサが250万円ですから、たしかにレックススタッドに移ったことも理由のひとつですが、不思議なことに、自身が生きているにもかかわらず、子どもに抜かされてしまったということになります。それはたとえばハーツクライよりもジャスタウェイの方が、(もし生きていれば)ステイゴールドよりもゴールドシップの方が、種付け料が高いという逆転現象です。

基本的にそのようなことはありえませんから、ヴィクトワールピサが高く評価されているのか、それともネオユニヴァースが低く評価されているのかを考えると、私は後者だと思います。つまり、種牡馬としての実力や実績に対しての市場の評価が低すぎるということです。私がそうであったように、ネオユニヴァースは盲点になっているのです。


ネオユニヴァースは皐月賞と日本ダービーを制し、クラシック3冠に王手をかけましたが、惜しくも菊花賞は3着に敗れてしまいました。今から思うと、日本ダービー後に宝塚記念を使ってしまったのが良くなかったのでしょう。当時は今ほど外厩が発達していなかったこともあり、夏休みは涼しい北海道に放牧に出すか、それとも栗東に残しておくかという選択肢の中で、瀬戸口勉元調教師は手元に置いておく方を選んだのだと思います。そうしているうちに、思ったよりも疲れが見られないとのことで、せっかくだからと宝塚記念にも積極的に出走してしまったのでしょうか。やはり目に見えない疲れはあったはずで、特に日本ダービーを制したあとですから、思い切ってすぐに放牧に出した方が良かったと思います。この夏の過ごし方が尾を引き、その後の戦績は尻すぼみになってしまいましたが、おそらく体調さえ戻れば、私たちの思っているよりもさらに強い馬であった可能性は高いです。

ネオユニヴァース自身の特徴

ネオユニヴァース自身は、手脚がすらりと長く、馬体の幅の薄い、柔らかさと緩さが同居しているような馬体です。 …
本コンテンツは、プレミアム会員登録でご覧いただけます。
全文3186文字 (現在1236文字まで表示)

プレミアム会員ご案内
すでにプレミアム会員の方は ログイン してご覧ください
前後の記事
第30回 【種牡馬別】ネオユニヴァース産駒編
著者
治郎丸敬之
新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」編集長。週刊Gallopにてコラムを連載中。当コラムの書籍も発刊
馬体の見かた講座
[新種牡馬] コントレイル、シスキン産駒の傾向と対策 引退競走馬のリトレーニング現場を訪ねてきました 生産者に聞く「スタリオンパレードでの種牡馬の見かた」 【種牡馬別】キタサンブラック産駒の見かた 「腰の高さ」と「胴伸び」に見る競走馬の成長曲線 競走馬のメンテナンス・手前替え・息の入り 馬の歩きを見るプロ・佐藤駿さんに聞く走る馬の見分け方 2023春クラシック活躍馬の馬体分析【牝馬編】 2023春クラシック活躍馬の馬体分析【牡馬編】 2023年ウインレーシングクラブ募集馬インタビュー 2023年社台サラブレッドクラブ募集馬インタビュー 2023年G1サラブレッドクラブ募集馬インタビュー [新種牡馬] ナダル、ルヴァンスレーヴ産駒の傾向と対策 [新種牡馬] サートゥルナーリア、アドマイヤマーズ産駒の傾向と対策 最近の社台SS~オルフェーヴルとキタサンブラック 「キ甲の成長」と「適性」の関係を実例から学ぶ 【種牡馬別】モーリス産駒編 【種牡馬別】ドゥラメンテ産駒編 出資馬の「未来の姿」を想像するために必要なこと 上手獣医師に聞く「鼻出血や心房細動は再発しやすい?」 上手獣医師に聞く「募集時のウォーキング動画を見るときのポイントは?」 2022春クラシック活躍馬の馬体分析【牡馬編】 2022春クラシック活躍馬の馬体分析【牝馬編】 2022年ウインレーシングクラブ推奨1歳馬を見てきました 2022年社台サラブレッドクラブ推奨1歳馬を見てきました 2022年G1サラブレッドクラブ推奨1歳馬を見てきました [新種牡馬] レイデオロ・ニューイヤーズデイ産駒の傾向と対策 [新種牡馬] ブリックスアンドモルタル・スワーヴリチャード産駒の傾向と対策 斉藤崇史厩舎・福田調教助手に聞く「口向き」の深い話 競走馬の「口向きが悪い」とはどういうこと? 【種牡馬別】キズナ産駒編 競走馬の「背中が良い」とはどういうこと? 岡田牧雄氏に聞く 「現役種牡馬13頭の評価と馬体の見かた」 岡田牧雄氏に聞く「馬を見る上で大切にすべきこと」 インゼルTC代表に聞く 設立の経緯と推奨馬5頭 2021年活躍3歳馬の馬体分析【マイル・ダート編】 2021春クラシック活躍馬の馬体分析 社台サラブレッドクラブ 2021推奨募集馬インタビュー G1サラブレッドクラブ 2021推奨募集馬インタビュー [新種牡馬]マインドユアビスケッツ、サトノクラウン、レッドファルクス産駒の傾向と対策 [新種牡馬]サトノダイヤモンド、リアルスティール産駒の傾向と対策 【種牡馬別】ジャスタウェイ産駒編 「馬体の緩さ」をあらためて整理する【後編】 「馬体の緩さ」をあらためて整理する【前編】 【種牡馬別】エピファネイア産駒編 三冠牝馬デアリングタクトの全妹に会ってきました ファンディーナの初仔で学ぶ当歳馬の見かた 一口馬主は血統の割に「高い馬」「安い馬」どちらを狙うべきか 個人馬主として、重賞馬に出会うまでに学んだこと 2020春クラシック活躍馬の馬体分析【牡馬編】 2020春クラシック活躍馬の馬体分析【牝馬編】 G1サラブレッドクラブ 2020推奨募集馬インタビュー 社台サラブレッドクラブ 2020推奨募集馬インタビュー イスラボニータ、ロゴタイプ、サトノアラジン産駒の傾向と対策 ドレフォン、キタサンブラック産駒の傾向と対策 エピファネイア&キズナの好発進とこれからの社台SS 【種牡馬別】ルーラーシップ産駒編 下村獣医師に聞く[見学ツアーで馬を見るときのポイント] 下村獣医師に聞く[馬体が「ゆるい」とは?] 下村獣医師に聞く[去勢の狙いとメカニズム] ノーザンファーム空港でTCライオン募集馬を見てきました セリ市で学ぶ:馬を間近で見る実践 セリ市で学ぶ:背中の筋肉の見かた 馬体のメリハリ、目、顔つき 毛艶の良さから分かること 2019年社台サラブレッドクラブ推奨1歳馬を見てきました [新種牡馬]ミッキーアイル&エピファネイア・キズナ・リアルインパクト [新種牡馬]モーリス産駒の傾向と対策 [新種牡馬]ドゥラメンテ産駒の傾向と対策 新種牡馬の産駒を見る上で大切にすべきこと 【種牡馬別】キンシャサノキセキ産駒編 馬体のバランスを実例から見る 馬の動きを「メトロノーム」のイメージで見る 現役馬と1歳馬の違い、牡馬と牝馬の違い 「背中が良い」とはどんな馬? 素質以外に重要な要素 ゲートの出方は天性のもの? 胴体から距離適性を見分ける セリ上場馬とクラブ募集馬の違い 【種牡馬別】ロードカナロア産駒編 【種牡馬別】オルフェーヴル産駒編 下村獣医師に聞く6[丈夫な馬体とは] 下村獣医師に聞く5[気性の見分け方] 梁川正普氏インタビュー【後編】 梁川正普氏インタビュー【前編】 秋田博章氏インタビュー【後編】 秋田博章氏インタビュー【中編】 秋田博章氏インタビュー【前編】 下村獣医師に聞く4[脚元の健康] 下村獣医師に聞く3[ノドの病気] 下村獣医師に聞く2[疲れやすい馬体とは] 下村獣医師(社台F)に聞く1[OCDと骨瘤] 【応用理論】2)馬体評価プロセスの体系化 【応用理論】1)より実践的な馬体の見かたへ 【種牡馬別】シンボリクリスエス産駒編 【種牡馬別】ブラックタイド産駒編 【種牡馬別】クロフネ産駒編 【種牡馬別】ゴールドアリュール産駒編 【種牡馬別】ハービンジャー産駒編 ハリー・スウィーニ氏インタビュー【後編】 ハリー・スウィーニ氏インタビュー【中編】 ハリー・スウィーニ氏インタビュー【前編】 【種牡馬別】ネオユニヴァース産駒編 【種牡馬別】ダイワメジャー産駒編 【種牡馬別】ハーツクライ産駒編 【種牡馬別】キングカメハメハ産駒編 【種牡馬別】ディープインパクト産駒編 岡田牧雄氏インタビュー【後編】 岡田牧雄氏インタビュー【中編】 岡田牧雄氏インタビュー【前編】 基礎編を振り返って 「歩様」は前から見ると分かりやすい 「歩様」を見る際の4つのポイント 歩き方の種類と「歩様」の基礎 「内向・外向」、「後肢」の肢勢 馬の肢勢~「前肢」の注意点 「飛節」を見るポイント 「後ろ脚の筋肉」の見かた 馬の生命線となる「蹄」 脚下のパーツ「球節」「繋」 前脚のパーツ「前腕」「膝」「管」 肺と心臓をあらわす「胸」 「尻」と「尻尾」の見かた 「背中」の見かたと「腹」との関係 「首」「き甲」「肩」を見る時のポイント 心を映し出す「目」と「耳」 理想的な「頭部」とは? さまざまなプロポーションの見方 馬体のプロポーションから分かること 父に似ていることには意味がある 美点を見るか欠点を見るか はじめに
(連載中)