2021年春に活躍した3歳馬の馬体分析【クラシック距離編】
活躍馬の募集時馬体を振り返る
今回は、今年の春を賑わせた3歳クラブ馬たちの募集時馬体を振り返ります。「名馬の募集カタログ」の最新アップデート版とも言える企画で、昨年に続いて2回目となります。
日本ダービーも終わってひと段落したこのタイミングで、改めて活躍馬の募集時代について振り返ってみることは大切ですね。僕はサラブレッドの美点を重視するタイプなので、今回のように活躍馬が走った理由を見つけるのはとても楽しみです。走りそうだったのに走らなかった馬について、その理由を探すのは難しいのですが…。
この世代の春クラシックシーズンまでの大まかな傾向として、牡馬に活躍馬が多く、牝馬に少なかったことが挙げられます。牝馬が少なかったというよりも、ソダシやアカイトリノムスメ、サトノレイナスといった個人オーナー所有の馬が大活躍したため、牝馬路線ではクラブ馬の活躍が数の上では目立たなかったということですね。
そこで今年は、昨年のように牡馬と牝馬という性別ではなく、「クラシック路線」と「マイル・ダート路線」の路線別に語っていきたいと思います。今回は「クラシック路線」で活躍したクラブ馬たちについて。
日本ダービーも終わってひと段落したこのタイミングで、改めて活躍馬の募集時代について振り返ってみることは大切ですね。僕はサラブレッドの美点を重視するタイプなので、今回のように活躍馬が走った理由を見つけるのはとても楽しみです。走りそうだったのに走らなかった馬について、その理由を探すのは難しいのですが…。
この世代の春クラシックシーズンまでの大まかな傾向として、牡馬に活躍馬が多く、牝馬に少なかったことが挙げられます。牝馬が少なかったというよりも、ソダシやアカイトリノムスメ、サトノレイナスといった個人オーナー所有の馬が大活躍したため、牝馬路線ではクラブ馬の活躍が数の上では目立たなかったということですね。
そこで今年は、昨年のように牡馬と牝馬という性別ではなく、「クラシック路線」と「マイル・ダート路線」の路線別に語っていきたいと思います。今回は「クラシック路線」で活躍したクラブ馬たちについて。
ユーバーレーベン
撮影時期推定:1歳6月頃
ユーバーレーベン ラフィアンターフマンクラブ
父 ゴールドシップ 牝 2018-01-27生
募集価格:1500万円 / 100口 (一口 15万円)
まずは今回の紅一点、オークスを制覇したユーバーレーベンです。父 ゴールドシップ 牝 2018-01-27生
募集価格:1500万円 / 100口 (一口 15万円)
優駿牝馬(G1) 優勝 / ドバイシーマクラシ(G1) 5着 / アメリカJCC(G2) 3着 / 阪神ジュベナイルF(G1) 3着 / フローラS(G2) 3着 / 札幌2歳S(G3) 2着 / フラワーカップ(G3) 3着 / 2歳新馬 優勝 / 京都記念(G2) 5着
線の細いイメージの強い同馬ですが、募集時の立ち写真を見ると、意外にもしっかりとしていて完成度が高いですね。本番までは脚質的に勝ち切れない面もありましたが、おそらく後ろから行っていたのは、非力でテンについていけないということではなく、気性的に周りに馬がいすぎると気にしてしまう面があるのかもれません。そういう繊細な牝馬は、馬群の中に入れるのではなく、少し馬群から離して追走させてあげた方が精神的な消耗が少なく、終いが切れるものです。ミルコ・デムーロ騎手以外のジョッキーも苦労してこの馬の良さを引き出そうとしていましたが、ペースと展開が見事にハマったことがオークスの快勝につながったと思います。
祖母のマイネヌーヴェルが腰高の馬体であったように、ユーバーレーベンもそのあたりは母系から受け継いでいます。特に前躯が力強く、実にコンパクトにまとまっていて、小粒でピリリと辛そうな印象を受けます。顔つきは素直で大人しそうで、周りにいる馬を気にするような繊細な性格は立ち写真からは分かりませんね。馬体的には完成度が高く、今以上に大きく成長するようには思えませんが、気持ちさえ衰えなければ秋以降も底力が問われる舞台で爆発してくれるのではないでしょうか。
外見上は母系が色濃く出ているのですが、ユーバーレーベンがこれだけ走ったのは父ゴールドシップの影響も大きいと僕は考えています。それはもっと深いところにある精神面というか、走る気持ちや闘争心という意味においてです。初年度から2年目の産駒の走りを見渡してみて、ゴールドシップ産駒は走るという感触を得た一口馬主ファンの方々は多いのではないでしょうか。ステイゴールド産駒がそうであったように、特に、スタミナを要するレースや上がりの掛かる馬場・コースでは強さを発揮してくれます。
ステイゴールド産駒と比較すると、ゴールドシップ産駒はサイズがある程度あり、また気性面も安定しているため馬体の維持がしやすく、牝馬に活躍馬が出やすいと考えています。 …