エピファネイア&キズナの好発進とこれからの社台SS
社台スタリオンステーション
徳武英介氏インタビュー2020 第1回
徳武英介氏インタビュー2020 第1回
日々サラブレッドと向き合いながら、馬を見ることを仕事としている競馬関係者の方々へのインタビュー。今回は昨年に引き続き、社台スタリオンステーションの徳武英介さんに、エピファネイアやキズナの初年度産駒の活躍や、産駒デビュー間近のドゥラメンテといった最近のトピックス、そして今年1歳募集が開始されるキタサンブラックやドレフォンをはじめ5頭の新種牡馬について、出資時の産駒の選び方や馬体の見かたについて教えていただきます。(全3回)
社台スタリオンステーション (公式HP)
北海道勇払郡安平町。日本競馬界を代表する規模と実績を誇るスタリオン。リーディング上位種牡馬の多くを繋養。徳武英介さんは事務局で長年にわたり数々の名種牡馬に携わる。
*本年は社会情勢をふまえて、電話でのインタビュー形式でお話をおうかがいしました。お忙しい中ありがとうございました。
好スタートを切ったエピファネイア&キズナ
― 昨年は雪がまだ残っているような時期に、実際に種牡馬を見せてもらいながらお話しを聞かせていただき、とても勉強になりました。徳武さんから教えてもらったことは、このコラムの中だけではなく、僕がいろいろな場所で種牡馬について語るときにも参考にさせてもらっています。徳武さんがこのように言っていたと引用することもありますし、あたかも僕が最初から知っているようにドヤ顔で語りながら、(実は徳武さんがそう教えてくれたんだけどね)なんてこともあります(笑)。今年もこうして新種牡馬について、リアルでホットな情報を聞かせてもらうことができて幸せです。
ところで、エピファネイアとキズナが好調なスタートを切りましたね。エピファネイアは、デアリングタクトが桜花賞を勝って、初年度の産駒からクラシックホースを誕生させることに成功しました。
徳武英介氏(以下、徳武) ディープインパクトやロードカナロア、ハーツクライといった大種牡馬たちの中に入っても、こうして結果を出しているのだから素晴らしいです。キズナの方が当初は話題性がありましたが、クラシックを獲る馬がエピファネイアから現れたように、現役時代と同じく良いライバル関係にあって面白いですし、この2頭は種牡馬としてもレベルが高いという証明にもなりました。デアリングタクトに関しては、桜花賞当日は雨が降ったことも、エピファネイアにとってはありがたかったですね。たとえ馬場が悪くても、ブレることなく真っ直ぐ走ってきて、1頭だけ違う脚でした。体幹の強さが遺伝しているのでしょう。
初年度産駒からクラシックホースを出したということは、大種牡馬になれる可能性が高いことを示しています。種牡馬としての資質の高さだけではなく、ここから一気に良質の繁殖牝馬が集まってくるからです。エピファネイアはもともと勝ち上がり率が高く、アベレージヒッター的な扱いだったのですが、大物を出したとなるとさらに期待は大きいですね。
もうひとつの視点としては、サンデーサイレンスの4×3の配合の馬がクラシックを勝ったということで、サンデーのクロスはどうか?という議論に終止符を打てるのかなということ。もしかすると、サンデーサイレンスのクロスの時代が来るのではないでしょうか。それから、エピファネイアを種付けしようとする方は、キングカメハメハの肌に合うのではないかと考えるはずです。成功例は真似されて当然ですから、父エピファネイアに母の父キングカメハメハという血統構成の馬は増えるはずです。
― 昨年インタビューさせてもらったときも、キズナとエピファネイアについてはかなり評価をされていましたが、これだけの活躍は期待以上ということでしょうか。
徳武 そうですね。思っていた通りということもありますが、それぞれが持ち味を出しているのが嬉しいですね。今年の桜花賞は、馬場が湿ったことでエピファネイアに軍配が上がったということです。キズナが決して重い馬場を苦手とする訳ではないのですが、エピファネイアはその父シンボリクリスエスから伝わる圧倒的なパワーを受け継いでいますから。
― キズナもエピファネイアも、日高地方の生産馬からも活躍馬が出ているように、遺伝力が非常に強いですね。
徳武 2頭ともに、最初は種付け料が比較的安く設定されていたこともあり、付けやすかった面もあると思います。キズナはオーナーサイドのご厚意もありましたが、エピファネイアは未知数なところがあり、ともに250万円スタートになったことも良かったのではないでしょうか。昔で言うと、フジキセキは日高の生産者の方々に応援されて成長していったというストーリーがあります。おかげさまで今年も、キズナにもエピファネイアにも種付けの申し込みが殺到していますよ。
ところで、エピファネイアとキズナが好調なスタートを切りましたね。エピファネイアは、デアリングタクトが桜花賞を勝って、初年度の産駒からクラシックホースを誕生させることに成功しました。
初年度産駒からクラシックホースを輩出したエピファネイア(2019年撮影)
徳武英介氏(以下、徳武) ディープインパクトやロードカナロア、ハーツクライといった大種牡馬たちの中に入っても、こうして結果を出しているのだから素晴らしいです。キズナの方が当初は話題性がありましたが、クラシックを獲る馬がエピファネイアから現れたように、現役時代と同じく良いライバル関係にあって面白いですし、この2頭は種牡馬としてもレベルが高いという証明にもなりました。デアリングタクトに関しては、桜花賞当日は雨が降ったことも、エピファネイアにとってはありがたかったですね。たとえ馬場が悪くても、ブレることなく真っ直ぐ走ってきて、1頭だけ違う脚でした。体幹の強さが遺伝しているのでしょう。
初年度産駒からクラシックホースを出したということは、大種牡馬になれる可能性が高いことを示しています。種牡馬としての資質の高さだけではなく、ここから一気に良質の繁殖牝馬が集まってくるからです。エピファネイアはもともと勝ち上がり率が高く、アベレージヒッター的な扱いだったのですが、大物を出したとなるとさらに期待は大きいですね。
もうひとつの視点としては、サンデーサイレンスの4×3の配合の馬がクラシックを勝ったということで、サンデーのクロスはどうか?という議論に終止符を打てるのかなということ。もしかすると、サンデーサイレンスのクロスの時代が来るのではないでしょうか。それから、エピファネイアを種付けしようとする方は、キングカメハメハの肌に合うのではないかと考えるはずです。成功例は真似されて当然ですから、父エピファネイアに母の父キングカメハメハという血統構成の馬は増えるはずです。
桜花賞を制したデアリングタクトの血統
― 昨年インタビューさせてもらったときも、キズナとエピファネイアについてはかなり評価をされていましたが、これだけの活躍は期待以上ということでしょうか。
徳武 そうですね。思っていた通りということもありますが、それぞれが持ち味を出しているのが嬉しいですね。今年の桜花賞は、馬場が湿ったことでエピファネイアに軍配が上がったということです。キズナが決して重い馬場を苦手とする訳ではないのですが、エピファネイアはその父シンボリクリスエスから伝わる圧倒的なパワーを受け継いでいますから。
― キズナもエピファネイアも、日高地方の生産馬からも活躍馬が出ているように、遺伝力が非常に強いですね。
徳武 2頭ともに、最初は種付け料が比較的安く設定されていたこともあり、付けやすかった面もあると思います。キズナはオーナーサイドのご厚意もありましたが、エピファネイアは未知数なところがあり、ともに250万円スタートになったことも良かったのではないでしょうか。昔で言うと、フジキセキは日高の生産者の方々に応援されて成長していったというストーリーがあります。おかげさまで今年も、キズナにもエピファネイアにも種付けの申し込みが殺到していますよ。
産駒デビュー間近のドゥラメンテ、存在感を増すハーツクライ
― 昨年のインタビューで詳しく教えていただいたドゥラメンテはいかがでしょうか?あれから1年が経ち、産駒たちも見違えるほどに成長を遂げているのではないかと思います。
徳武 デビューが楽しみですね。 …
徳武 デビューが楽しみですね。 …