「蹄」を見るときに注目すべきポイントを現役装蹄師に聞く
大井競馬場・森英幸装蹄師インタビュー
日々サラブレッドと向き合いながら、馬を見ることを仕事としている競馬関係者の方々へのインタビュー。
今回は大井競馬場の開業装蹄師で、南関東競走馬装蹄師会会長も務める森英幸さんに、サラブレッドの蹄(ひづめ)を中心とした肢元の大切さからその見かたまで教えてもらいます。
蹄と言えば「適性」、特にダートに向いた蹄についてもお聞きしたかったので、地方競馬で長年に渡って活躍されている森さんにお声がけさせていただきました。
大井競馬場の開業装蹄師。南関東競走馬装蹄師会会長。45年以上に渡り第一線で活躍中。育成した装蹄師も全国に多数。
今回は大井競馬場の開業装蹄師で、南関東競走馬装蹄師会会長も務める森英幸さんに、サラブレッドの蹄(ひづめ)を中心とした肢元の大切さからその見かたまで教えてもらいます。
蹄と言えば「適性」、特にダートに向いた蹄についてもお聞きしたかったので、地方競馬で長年に渡って活躍されている森さんにお声がけさせていただきました。
森 英幸さん
大井競馬場の開業装蹄師。南関東競走馬装蹄師会会長。45年以上に渡り第一線で活躍中。育成した装蹄師も全国に多数。まずは馬体とのバランス
──本日は年末のお忙しい中、お時間を取っていただき、ありがとうございます。森さんは現在、大井競馬場に拠点を構えて活動されており、また森さんのお弟子さんたちも、全国の競馬場で活躍されていると聞きました。
実際の装蹄の現場を見るのは僕自身初めてです。分からないことばかりですので、いろいろと教えていただけると幸いです。読者である一口馬主の皆さんも、まず蹄のどこを見れば良いのか分からない方も多いと思います。
森英幸装蹄師(以下、敬称略) 私は蹄を見るときに、まず馬体の大きさとのバランスを見ます。「馬体が大きい割には蹄が小さいな」とか、逆に「馬体が小さい割には蹄が大きいな」という見かたをします。パッと見たときの、馬体の大きさに対する蹄の大きさ、長さ、厚み、それから繋ぎの長さと角度のバランスですね。
蹄の長さと繋ぎの長さは、大体同じ1:1ぐらいが良く、繋ぎの角度は45度が理想的です。
以前、装蹄師の仲間たちと社台スタリオンステーションに行って、当時、種牡馬になっていたディープインパクトを見たことがあるのですが、ディープインパクトはそのあたりがもう最高のバランスでしたね。
他にも、シンボリクリスエスは体の大きさと蹄の大きさのバランスが非常に良かったです。蹄がやや大きくていかにも芝向きのタイプでしたね。 これとは逆に体が大きい割に蹄が小さい馬は、それだけ蹄に負担が掛かるということであり、故障の原因にもなります。
── なるほど、まずは馬体全体の骨格の大きさに対する蹄の大きさのバランスが重要で、特に小さすぎる蹄の場合は故障の確率が上がるということですね。
森 もちろん、蹄と馬体の大きさのバランスが悪かったり、肢元に不安のある馬を何とかするのも、私たち装蹄師の仕事のひとつでもあります。たとえば、馬体の割に蹄が大きすぎる馬は削って小さくしてあげることもあります。
それでも、大きい蹄を小さくすることはできても、小さい蹄を大きくすることはなかなか難しい。今は接着装蹄のような技術もありますが、どちらかと言えば小さすぎる方が困ってしまいますね。
ただ、大きければ良いというわけでもありません。蹄が大きければ大きいほど安定しそうではあるけど、大きすぎても意外に不安定になり、走る際にバランスを崩しやすくなるなどの問題が生じてしまいます。つまり、蹄のサイズは大きすぎても小さすぎても良くなく、その馬の馬体に合った大きさや形がいちばんですね。
実際の装蹄の現場を見るのは僕自身初めてです。分からないことばかりですので、いろいろと教えていただけると幸いです。読者である一口馬主の皆さんも、まず蹄のどこを見れば良いのか分からない方も多いと思います。
森英幸装蹄師(以下、敬称略) 私は蹄を見るときに、まず馬体の大きさとのバランスを見ます。「馬体が大きい割には蹄が小さいな」とか、逆に「馬体が小さい割には蹄が大きいな」という見かたをします。パッと見たときの、馬体の大きさに対する蹄の大きさ、長さ、厚み、それから繋ぎの長さと角度のバランスですね。
蹄の長さと繋ぎの長さは、大体同じ1:1ぐらいが良く、繋ぎの角度は45度が理想的です。
以前、装蹄師の仲間たちと社台スタリオンステーションに行って、当時、種牡馬になっていたディープインパクトを見たことがあるのですが、ディープインパクトはそのあたりがもう最高のバランスでしたね。
ディープインパクト(4歳時)
繋ぎの角度や蹄とのバランスなどが理想的とのこと
繋ぎの角度や蹄とのバランスなどが理想的とのこと
他にも、シンボリクリスエスは体の大きさと蹄の大きさのバランスが非常に良かったです。蹄がやや大きくていかにも芝向きのタイプでしたね。 これとは逆に体が大きい割に蹄が小さい馬は、それだけ蹄に負担が掛かるということであり、故障の原因にもなります。
シンボリクリスエス(4歳時)
蹄のサイズはやや大きめだが
巨体を支える上ではバランスが良いとのこと
蹄のサイズはやや大きめだが
巨体を支える上ではバランスが良いとのこと
── なるほど、まずは馬体全体の骨格の大きさに対する蹄の大きさのバランスが重要で、特に小さすぎる蹄の場合は故障の確率が上がるということですね。
森 もちろん、蹄と馬体の大きさのバランスが悪かったり、肢元に不安のある馬を何とかするのも、私たち装蹄師の仕事のひとつでもあります。たとえば、馬体の割に蹄が大きすぎる馬は削って小さくしてあげることもあります。
それでも、大きい蹄を小さくすることはできても、小さい蹄を大きくすることはなかなか難しい。今は接着装蹄のような技術もありますが、どちらかと言えば小さすぎる方が困ってしまいますね。
ただ、大きければ良いというわけでもありません。蹄が大きければ大きいほど安定しそうではあるけど、大きすぎても意外に不安定になり、走る際にバランスを崩しやすくなるなどの問題が生じてしまいます。つまり、蹄のサイズは大きすぎても小さすぎても良くなく、その馬の馬体に合った大きさや形がいちばんですね。
ダートに向いた蹄の形状
──
森さんは現在、大井競馬場でダート競走に出走する馬を担当されているわけですが、ダートで活躍する馬の蹄にはなにか共通する特徴があるのでしょうか?
森 一番は、蹄の形や大きさというよりは、底の深さですね。 …
森 一番は、蹄の形や大きさというよりは、底の深さですね。 …












