2021-06-12現在データ
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馬体の見かた講座
馬を見る上での考え方から各馬体パーツの基本、種牡馬毎の特徴、専門家へのインタビューも
治郎丸敬之 著 / 連載中

セリ市で学ぶ:背中の筋肉の見かた

西谷泰宏師インタビュー 前編
日々サラブレッドと向き合いながら、馬を見ることを仕事としている競馬関係者の方々へのインタビュー。今回はオーストラリアのタスマニアで厩舎を運営している西谷泰宏騎手兼調教師に、馬体の見かたについて教えてもらいます。

今年6月にオーストラリアのゴールドコーストにて開催されたセリ市に同行しながら、実際の馬の動きを見ながら解説してもらうという臨場感あふれるインタビューになっています。海外だからこそできることでもあり、その内容もかなり専門的ですので、心してお読みください。前編となる今回は、西谷師が馬を見る上で、重視するポイントについてお話いただきます。


同行したセールの正式名称は「マジックミリオンズ ゴールドコースト ナショナルイヤリングセール」。毎年オーストラリアのゴールドコーストで開かれる世界的にも有名なセール。3日間にわたって500頭以上が上場される。

西谷泰宏さん プロフィール

オーストラリアの競馬学校を経て、2006年に騎手免許を取得。通算1545戦70勝(タスマニア、岩手競馬、キングアイランドにて)。2014年は岩手競馬で2ヶ月の短期騎手免許で騎乗し107戦6勝。2016年には調教師免許を取得し、タスマニア初の騎手と調教師の二刀流ライセンスを保持。当面の最大目標はメルボルンカップ制覇。厩舎のスタイルは「一頭入魂」。タスマニアの地の利を活かし、あらゆるアプローチからG1制覇が出来る馬作り・厩舎作りを目指している。

― はじめまして。ツイッターではフォローさせてもらっていましたが、地理的なこともあってお会いするのは初めてになりますね。知り合いからも信頼できるホースマンだと太鼓判を押されたので、楽しみにしていました。今日はセールの第2日目という忙しい中にもかかわらず、こうしたインタビューにお応えいただきまして、ありがとうございます。


西谷調教師(以下、西谷) こちらこそ、ありがとうございます。オーストラリアで僕のような人間が活動していることを、少しでも知ってもらいたいと思っていますので嬉しいです。今日は朝一でセリ会場に入って、気になる馬は全て下見を済ませていますのでご安心ください。


― 今日はセリの現場でのインタビューとなります。実際の馬の動きも見ながら、現役のジョッキーであり、調教師から直々に教えてもらえるということで、新しい視点からの馬体の見かたを期待しています。まずは馬体の見かたの総論というか、基本的なポイントを分かりやすく教えてください。


西谷 前提として、今からお伝えする馬見は絶対的なものではなく、あくまでも一調教師である私にとっての、馬を見るときの基準であることをご理解ください。

馬を見るときには、まず背中の筋肉を見ます。背中の筋肉の付き方が重要です。その次に、腰からトモの筋肉の付き方を見るという一連の流れです。「背中」→「腰」→「トモ」という順番ですね。このトップラインを見るとき、僕は馬の斜め前から見ます。「背中」→「腰」周りの筋肉の付き方を見るためには、たとえば立ち写真など、横から馬を見ると分かりにくいのです。


背中の筋肉の見かた

― なるほど、背中から腰周りの筋肉の付き方を見るには、斜め前から見ると分かりやすいですね。 …
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著者
治郎丸敬之
新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」編集長。週刊Gallopにてコラムを連載中。競馬ブログ「ガラスの競馬場」を主宰。当コラムの書籍も発売中
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