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馬体の見かた講座
馬を見る上での考え方から各馬体パーツの基本、種牡馬毎の特徴、専門家へのインタビューも
治郎丸敬之 著 / 連載中

11.肺と心臓をあらわす「胸」

「肺で走り、心臓で頑張る」

馬は「肺で走り、心臓で頑張る」と言われます。器官の機能的にそうであることだけではなく、最後の直線における叩き合いになったときには、他馬に負けない心(ハート)の強さが必要であるという意味に私は解釈しています。

心臓と言えば、将棋の羽生善治氏はその著書の中で、「私は心臓(ハート)で考えるという概念がとても好きです」と語っていました。ここでいう心臓で考えるとは、自分の直観を信じるということではないでしょうか。直観を信じ、行動に移してみるということに他なりません。頭ではなく心臓で考える。これがやってみると実に難しいことに気づきます。それは無欲、無心ということでもあります。私たちが頭で考えることなんか、たかがしれているんですよね。サラブレッドも、そして私たち人間も、最後の場面は心臓で勝負するのです。

胸には肺と心臓が収まっている

大前提として、馬の肺や心臓はエンジンである以上、大きい方が良く、その大きい肺と心臓を収容する胸もまた大きく、広く、豊かであるべきです。肺や心臓が大きいからこそ胸も大きいのか、胸が大きいから肺や心臓も大きくなるのか、どちらが先かというと難しいのですが、いずれにしても、胸の大きさはそのまま肺や心臓の大きさを示しているのです。胸の大きさから、どれだけのエンジンを搭載しているかが分かるということです。馬にとって肺と心臓がどれだけ大切か、そしてその肺と心臓を収めている胸が馬体において重要な部分かもご理解いただけると思います。

朝日杯3歳Sをレコード勝ちし、有馬記念や宝塚記念で並み居る同世代のライバルたちを圧倒したグラスワンダーは、その胸の大きさから搭載しているエンジンの素晴らしさが伝わってくる馬でした。筋肉量が極めて多く、あまり長い距離ではスタミナ切れを起こしてしまいそうな馬体のつくりでしたが、エンジンの大きさの違いで、マイルから2500mまでの距離を難なくこなしてしまった名馬でした。その肺と心臓の大きさは、今をときめくスクリーンヒーローを通して孫たちにも伝わっており、モーリスやゴールドアクターは外から見ても分かる立派な胸を誇示していますよね。

胸のサイズの見かた

胸の大きさは、「深さ」と「長さ」、「幅の」3点で決まります。 …
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著者
治郎丸敬之
新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」編集長。週刊Gallopにてコラムを連載中。競馬ブログ「ガラスの競馬場」を主宰。当コラムの書籍も発売中
馬体の見かた講座
54.和田正道元調教師インタビュー 53.【種牡馬別】ロードカナロア産駒編 52.【種牡馬別】オルフェーヴル産駒編 51.下村獣医師に聞く6[丈夫な馬体とは] 50.下村獣医師に聞く5[気性の見分け方] 49.梁川正普氏インタビュー【後編】 48.梁川正普氏インタビュー【前編】 47.秋田博章氏インタビュー【後編】 46.秋田博章氏インタビュー【中編】 45.秋田博章氏インタビュー【前編】 44.下村獣医師に聞く4[脚元の健康] 43.下村獣医師に聞く3[ノドの病気] 42.下村獣医師に聞く2[疲れやすい馬体とは] 41.下村獣医師(社台F)に聞く1[OCDと骨瘤] 40.【応用理論】馬体評価プロセスの体系化 39.【応用理論】より実践的な馬体の見かたへ 38.【種牡馬別】シンボリクリスエス産駒編 37.【種牡馬別】ブラックタイド産駒編 36.【種牡馬別】クロフネ産駒編 35.【種牡馬別】ゴールドアリュール産駒編 34.【種牡馬別】ハービンジャー産駒編 33.ハリー・スウィーニ氏インタビュー【後編】 32.ハリー・スウィーニ氏インタビュー【中編】 31.ハリー・スウィーニ氏インタビュー【前編】 30.【種牡馬別】ネオユニヴァース産駒編 29.【種牡馬別】ダイワメジャー産駒編 28.【種牡馬別】ハーツクライ産駒編 27.【種牡馬別】キングカメハメハ産駒編 26.【種牡馬別】ディープインパクト産駒編 25.岡田牧雄氏インタビュー【後編】 24.岡田牧雄氏インタビュー【中編】 23.岡田牧雄氏インタビュー【前編】 22.基礎編を振り返って 21.「歩様」は前から見ると分かりやすい 20.「歩様」を見る際の4つのポイント 19.歩き方の種類と「歩様」の基礎 18.「内向・外向」、「後肢」の肢勢 17.馬の肢勢~「前肢」の注意点 16.「飛節」を見るポイント 15.「後ろ脚の筋肉」の見かた 14.馬の生命線となる「蹄」 13.脚下のパーツ「球節」「繋」 12.前脚のパーツ「前腕」「膝」「管」 11.肺と心臓をあらわす「胸」 10.「尻」と「尻尾」の見かた 9.「背中」の見かたと「腹」との関係 8.「首」「き甲」「肩」を見る時のポイント 7.心を映し出す「目」と「耳」 6.理想的な「頭部」とは? 5.さまざまなプロポーションの見方 4.馬体のプロポーションから分かること 3.父に似ていることには意味がある 2.美点を見るか欠点を見るか 1.はじめに
(連載中)