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馬体の見かた講座
馬を見る上での考え方から各馬体パーツの基本、種牡馬毎の特徴、専門家へのインタビューも
治郎丸敬之 著 / 連載中

36.【種牡馬別】クロフネ産駒の見かた

今回はクロフネについて語っていきたいと思います。7月9日の中京8レース(500万下、ダート1800m戦)にて、クロフネ産駒がJRA通算1200勝を達成したというニュースを受けたことがきっかけです。ダートの条件戦で記念すべき勝利を達成したのがクロフネらしく、またいつの間にか1200勝を積み上げてきたことにも驚かされました。種牡馬の勝利数としては歴代11位の記録だそうです。どのような種牡馬たちがトップテンを占めているのか気になって、調べてみました。

種牡馬別産駒のJRA通算勝利数
1位 サンデーサイレンス 2749勝
2位 ノーザンテースト 1757勝
3位 ブライアンズタイム 1705勝
4位 フジキセキ 1516勝
5位 キングカメハメハ 1484勝
6位 サクラバクシンオー 1419勝
7位 ライジングフレーム 1379勝
8位 ディープインパクト 1273勝
9位 パーソロン 1272勝
10位 ヒンドスタン 1258勝
(2017年7月9日時点)

改めてこうして眺めてみると、1位のサンデーサイレンスと2位のノーザンテーストの間に1000勝近い差があることに驚愕しますし、ライジングフレームやパーソロン、ヒンドスタンといった、一世を風靡したそうそうたる面子が並んでいますね。これから先、ディープインパクトがもの凄い勢いで上位に迫っていくでしょうし(父を超えることができるでしょうか)、キングカメハメハも数字を伸ばすことは間違いありません。この名種牡馬クラブに、クロフネも仲間入りしようとしているのです。

クロフネ自身の特徴

産駒がそれだけ走っているにもかかわらず、クロフネがとても名種牡馬のようには思えないのは、やはり大物を出していないからでしょう。出していないというと語弊がありますが、あえて言えばスプリンターズステークスを勝ったスリープレスナイトやカレンチャンぐらいで、牡馬としてはフサイチリシャールやクラリティスカイはいても、これといった後継者も今のところいないのが実状です。それでも1200勝を挙げているのは、産駒がそれぞれにコンスタントに走っていることの証明でしょう。大きく突き抜ける馬はいませんが、早熟を生かして勝ち上がり、健康で丈夫であるおかげで長く走り続けられる。そういう意味においては、一口馬主にとっては相性の良い種牡馬なのかもしれません。

クロフネは現役時代からそうでしたが、種牡馬になっても、非の付けどころのない立派な馬体を誇っています。背が高く、力強く発達した前駆とそれを支える立派なトモ、胴部には十分な長さがあり、特に前肢が真っ直ぐに伸びて、膝より上が太くて力強く、膝より下がやや短くてスッと立っています。そして何よりも、これだけの好馬体に加え、顔つきからは大人しくて賢い、精神性の高さが伝わってきます。肉体的な強さと精神面での安定こそが、クロフネの最大の特徴でした。それは堅実さとして産駒たちに受け継がれています。

活躍したクラブ馬クロフネ産駒の馬体

クロフネ産駒たちの馬体に目を移しましょう。 …
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第36回 【種牡馬別】クロフネ産駒編
著者
治郎丸敬之
新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」編集長。週刊Gallopにてコラムを連載中。当コラムの書籍も発刊
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