18.「内向・外向」、「後肢」の肢勢
前回に引き続き、サラブレッドの肢勢について語ります。今回は、前肢を前方から見たとき、また後肢を側方と後方から見たときの不正肢勢について。
前肢を前から見た時の肢勢のポイント
前述したように、前肢を前から見たとき、肩端の中央から下した垂線が、膝、管、球節、蹄を通って、これらを二等分しているように見えるものが正肢勢です。前肢が上から下まで真っ直ぐに降りているからこそ、このような肢勢になります。
これに対し、前肢が上から下にいくにつれてお互いに接近して狭くなるような肢勢を狭踏(せまぶみ・きょうとう)肢勢と呼び、胸の幅の広い馬によく見られる肢勢です。ちなみに私の飼っているトイプードルは完全な狭踏肢勢です。正面から見ると、ボディービルダーの決めポーズのように、前肢がOの字を描いているのが分かります。サラブレッドの場合は、そこまで極端な狭踏肢勢の馬はいませんが、狭踏肢勢になると蹄の一部分に体重が掛かりやすくなるため、蹄の形が変形してしまうことがあります。また、蹄の形だけではなく歩き方まで変わってしまい、外に弧を描くように歩くこと(内弧歩様)で球節や蹄が互いにぶつかってしまうこともあり、怪我や故障につながりやすくなるのです。内弧歩様については、次回、歩様について語るときに詳しく説明しますね。
狭踏肢勢と逆に、広踏(ひろぶみ・こうとう)肢勢は、胸の幅の狭い馬によく見られる肢勢であり、前肢が上から下にいくにつれて互いに離れてゆくような肢勢を指します。広踏肢勢の馬は内側に向けて弧を描くような歩き方(外弧歩様)になり、こちらも球節や管の内側に蹄をぶつけてしまい怪我をすることが多くなります。実際に走るときには、パワーが左右に逃げてしまいやすくなり、スピードを損なうとされています。
極端な狭踏肢勢や広踏肢勢が好まれないのは、肢が内側にねじれたり、外側にねじれたりすることにも理由があります。膝の関節、球節、そして蹄の方向が内側に向かっていることを内向肢勢、外側に向かっていることを外向肢勢と言います。いわゆる内向、外向と呼ばれる肢勢です。狭踏肢勢の馬は内向、広踏肢勢の馬は外向しやすくなります。
これに対し、前肢が上から下にいくにつれてお互いに接近して狭くなるような肢勢を狭踏(せまぶみ・きょうとう)肢勢と呼び、胸の幅の広い馬によく見られる肢勢です。ちなみに私の飼っているトイプードルは完全な狭踏肢勢です。正面から見ると、ボディービルダーの決めポーズのように、前肢がOの字を描いているのが分かります。サラブレッドの場合は、そこまで極端な狭踏肢勢の馬はいませんが、狭踏肢勢になると蹄の一部分に体重が掛かりやすくなるため、蹄の形が変形してしまうことがあります。また、蹄の形だけではなく歩き方まで変わってしまい、外に弧を描くように歩くこと(内弧歩様)で球節や蹄が互いにぶつかってしまうこともあり、怪我や故障につながりやすくなるのです。内弧歩様については、次回、歩様について語るときに詳しく説明しますね。
狭踏肢勢と逆に、広踏(ひろぶみ・こうとう)肢勢は、胸の幅の狭い馬によく見られる肢勢であり、前肢が上から下にいくにつれて互いに離れてゆくような肢勢を指します。広踏肢勢の馬は内側に向けて弧を描くような歩き方(外弧歩様)になり、こちらも球節や管の内側に蹄をぶつけてしまい怪我をすることが多くなります。実際に走るときには、パワーが左右に逃げてしまいやすくなり、スピードを損なうとされています。
極端な狭踏肢勢や広踏肢勢が好まれないのは、肢が内側にねじれたり、外側にねじれたりすることにも理由があります。膝の関節、球節、そして蹄の方向が内側に向かっていることを内向肢勢、外側に向かっていることを外向肢勢と言います。いわゆる内向、外向と呼ばれる肢勢です。狭踏肢勢の馬は内向、広踏肢勢の馬は外向しやすくなります。
内向を克服した名馬
一本の線の上を走るような、美しい走りをする馬の代表例として紹介したベガは、実は内向のあった馬でした。 …