
下村獣医師に聞く「去勢の狙いとメカニズム」
下村優樹獣医師(社台F)インタビュー2019
日々サラブレッドと向き合いながら、馬を見ることを仕事としている競馬関係者の方々へのインタビュー。今回は社台ファームの獣医師である下村優樹さんに再登場していただきます。一昨年、このコラムのインタビュー取材を受けていただき、大変好評でした。今回は2年越しでため込んでいた質問をぶつけてみたいと思います。

下村優樹さんプロフィール
・2011年に酪農学園大学獣医学部獣医学科卒業
・卒業後は1年3ヶ月、ドイツ・ハノーファー大学付属大動物クリニックで臨床研修
・2013年に1年間、アメリカ・ケンタッキー州の開業獣医師の助手として臨床研修する傍ら、サラブレッド生産牧場に住み込み、飼養管理について学ぶ
・2014年から3年弱、日高軽種馬農業協同組合にて勤務
・2016年11月に社台ファームに入社し、現在に至る
― 下村さんは以前から獣医師としてだけではなく、国内外のセリに足を運んで馬の買い付けもされていますね。迷いがあったり、手を挙げるときには緊張して震えたりしませんか?僕はオーストラリアで200万円台の馬を競り落としただけで、心臓がバクバクして飛び出そうでしたよ(笑)。
下村優樹獣医師(以下、下村) 私もいつでも緊張しますよ(笑)。自分で手を挙げて競らせていただいた馬で1億円までいったことはないのですが、金額は関係ありません。たとえ100万円であってもドキドキです…。自分で見定めて、手を挙げて競るときは責任があります。もちろん会社の業務ではありますが、常に自分のお金で買うとしたら…という目線で馬を見ていますので、なおさら緊張感がありますね。
お金の感覚とは怖いもので、日本のセレクトセールや海外の大きなセールですと億超えの馬が出るので、1000万円や100万円台の落札額は安いと錯覚を起こしてしまいそうになります。実際に、「安い!」とおっしゃる方もいますが、私は全くそう思いません。ですので、どのような価格で競り落とせたとしても、決して安いとは言葉に出しません。
なぜなら、私たちの生活において、数百万円やそれ以上のお金が動くことなんてほとんどありませんよね。その価値観は大切に持ちながら、いくら経験を積んでも、セリにおいては初心に帰る気持ちを忘れないようにしたいものです。
下村優樹獣医師(以下、下村) 私もいつでも緊張しますよ(笑)。自分で手を挙げて競らせていただいた馬で1億円までいったことはないのですが、金額は関係ありません。たとえ100万円であってもドキドキです…。自分で見定めて、手を挙げて競るときは責任があります。もちろん会社の業務ではありますが、常に自分のお金で買うとしたら…という目線で馬を見ていますので、なおさら緊張感がありますね。
お金の感覚とは怖いもので、日本のセレクトセールや海外の大きなセールですと億超えの馬が出るので、1000万円や100万円台の落札額は安いと錯覚を起こしてしまいそうになります。実際に、「安い!」とおっしゃる方もいますが、私は全くそう思いません。ですので、どのような価格で競り落とせたとしても、決して安いとは言葉に出しません。
なぜなら、私たちの生活において、数百万円やそれ以上のお金が動くことなんてほとんどありませんよね。その価値観は大切に持ちながら、いくら経験を積んでも、セリにおいては初心に帰る気持ちを忘れないようにしたいものです。
去勢の医学的意味と競走馬における狙い
― セリで数多くの当歳馬や1歳馬を見てこられた下村さんですが、一口クラブの募集馬ツアーにもスタッフとして帯同したり、ご自身でも一口に出資することもあると聞きました。 …