下村獣医師に聞く「見学ツアーで馬を見るときのポイント」

前々回の「去勢」編、前回の「馬体の緩さ」編に引き続き、下村獣医師への短期集中質問インタビュー。ラストとなる今回は、募集馬見学ツアーについて。ふだんは牧場側としてツアーに参加する立場でもある同獣医師に、誰もが実践できる、ツアーで馬を見るときのアドバイスを頂きます。

― 最後に、お待ちかねの質問に移らせてもらいます。一口馬主の方なら誰もが知りたいと思うであろう、募集馬見学ツアーにおける馬の見かたです。

実は私は昨年初めて、とあるクラブの募集馬見学ツアーに参加させてもらいました。実馬を間近に見ることで、その馬の性格的な部分も知ることができ、カタログだけでは得られない第一次情報が満載でした。これは馬見の１００本ノックだな、つまり非常に馬を見るという練習になる良い機会だと感じました。募集馬見学ツアーのベテランであり、プロである下村さんに、ぜひそのノウハウというかコツを教えてもらえると嬉しいです。


下村優樹獣医師（以下、下村） 私はクラブ募集馬を提供する側として、お客様とお話する機会も多いため、とても興味深く、伝えることに責任を感じる質問ですね（笑）。

― 知識や経験にかかわらず、誰にでも実践できるようなヒントをいただければ、多くの方に参考になるのではないかと思います。


下村 そうですね、このような部分をもう少し見ていただけたら、来た甲斐があったと思っていただけるのではないか、と思うことを踏まえて、２つほどポイントをお話ししますね。